カテゴリー今日のエッセイ-たろう

生活文化や技術は、その地の気候や地形が作り出した。 2024年2月5日

地球上の多くの人が気にかけているだろう、地球温暖化。数字で見なくたって、個人的な記憶の中でもはっきりわかる。小学生の頃の記憶や、20代の頃の記憶を思い返してみると、やっぱり今の方が暖かい気がするのだ。夏はより暑く、寒い日はもっと寒く。というのが、温暖化時代の特徴らしい。ざっくりと日本の歴史を振り返...

民「俗」自決。「良いね」の共有が集団を作る。 2024年2月3日

継承と変遷。というのが歴史的に見た文化風習の捉え方なのだそうだ。たしか民俗学の本でそのようなことを読んだ気がする。文化や風習の中には、少しずつ変わっていくものがあるのは、食べ物の来歴を見ても分かる通り。時々、社会や環境が変化したことによって、劇的に料理の形や思想が変わってしまうことがある。ただ、劇...

「生」なんちゃらって多過ぎやしませんか。 2024年1月31日

日本中のあちこちで、「生」がブームになっている。それも最近のことじゃなくて、けっこう長いこと続いているような気がする。「日本人は生が好きだからね。だから刺し身があるんだよ。」なんてことを聞いたけれど、どうも腑に落ちない。生食をするのは日本人だけのことじゃないのだ。...

サービス提供事業者が複数存在する空間。旅行と食事。 2024年1月26日

掛茶料理むとうには、献立がない。全く無いというわけでもないのだけれど、それはあくまでも調理場の中での仕様書のようなもの。きれいにプリントしてお客様にお配りするようなものは用意していない。この話は、このエッセイでもたべものラジオでも話したことがあるかもしれない。...

一見無駄に思える時間をかけたところに生まれる情緒的価値。 2024年1月24日

時間をかけて作られたもののほうが素晴らしい、という評価基準のようなものがある。5分でぱぱっと作られた料理よりも、数時間かけて作ったもののほうが良さそうに感じる。たしかにそういうケースも多いけれど、わずか15分ほどで作られる「キンメダイの煮付け」は、10時間煮込んだスープに見劣りするものではない。3...

自分と周囲のヒトとの時間解釈の違い。 2024年1月23日

時間の捉え方って、ひとそれぞれ。たべものラジオでは、かなり長い時間軸の話をしているので、明治時代くらいに生まれた食文化も「比較的最近」ということになってしまう。ただ、それは学びの中で相対化した場合のこと。実際の暮らしや人生に照らし合わせてみれば、とても長い時間だ。...

自分で作り出した環境に振り回されているい? 2024年1月22日

今年のフグはどうだい?毎年どこかしらで聞くセリフだ。お客様に言われることもあるし、同業者から言われることもある。そういうぼくだって、魚屋さんや漁師さんに言うことがある。フグに限らず、お茶のシーズンには同じような会話が展開されるし、他の野菜だって同様。きっと、今も昔も同じ会話がされていただろう。...