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今や日本の食卓にも欠かせない食材である「じゃがいも」。それは日本だけでなく、世界の多くの国にとっても欠かせない食材となっている。それどころか、国によってはじゃがいもなしでは語れないという食文化を持つところさえあるのだ。
世界の農業生産量では第4位。総生産量はおよそ3億6千万トン(2020年)にもなる。トウモロコシ、麦、米の次であるから、穀物以外の野菜類では群を抜いて多い作物だ。ジャガイモを主食とする国にや時代があることから、第4の穀物とも呼ばれている。汎用性が高く、ジャガイモとして食する以外にも、デンプンとなったり、麺などに加工されていたりもするし、酒にもなる。ジャガイモを使った酒としては、ウォッカやジンなどが有名だ。日本でも焼酎になっている。
国別の生産量では、第一位が中国で9000万トン以上(約25%)、次いでインドの5000万トン(13.5%)、ウクライナ、ロシア、アメリカと続く。1位から5位までで、総生産の55%になもなる。上位の5カ国の経済や政治の状況次第でジャガイモの価格が変動するのはこのせいだ。ちなみに、日本のジャガイモ生産量は31位で217万トン(0.6%)程度である。そのほとんどは、北海道産。シェア率は78%にもなる。日本人であれば、ジャガイモと言えば北海道だ。もちろん、なぜ北海道がジャガイモなのかについては理由がある。それは後々語ることにしよう。
じゃがいも料理といえば何を思いつくだろうか。日本でなら、肉じゃがだろうし、コロッケになる。カレーライスにも欠かせない。煮っころがしに粉吹き芋、そぼろ煮、おでん、ととにかく幅広いラインナップだ。