この2年間ほどの間、ずっと考え続けていることがある。それは、食のパーソナライゼーションのことだ。健康という視点で考えると、人それぞれに必要な栄養素も摂取過剰な栄養素も違う。だから、遺伝子や腸内細菌を知って、個別最適化しようというのが昨今のフードテックで見られるトレンド。それ以外...
郷土料理の対義語ってなんだろう。とそんなことを考え始めた。今のところ、どこにも答えらしき影も見えていないのだが。そう思い始めたきっかけは、フードテックや食産業に触れていて時のことだ。...
「SKS Japan 2023」から少し時間がたった。本当なら、このエッセイもその話題が中心になるはずだし、そうであるべきなんだろうけれど、なかなか筆が進まない。それは、まだ僕の中で発酵が終わっていないからだ。...
1年ほど前から「補助輪のようなモノ」に興味を持っている。人間が自転車に乗れるようになるまでの間だけ、それをサポートするために生まれたモノ。やがて不要になることが運命づけられていると言うか、不要になることをゴールに設定されたモノ。そんなモノが他にもあるだろうか。食産業の中で、それ...
「おとぎ話の王子でも、昔はとても食べられない、アイスクリーム、アイスクリーム」 「ぼくは王子ではないけれど、アイスクリームを召し上がる、アイスクリーム、アイスクリーム」...
今、世界中で「代替肉」の開発が進んでいる。まだあまり浸透しているような実感はないのだけれど、それは日本に住んでいるからだろうか。海外では注目を浴びているというようなニュースを見ることがあるけれど、実情がどうなっているのかわからない。ただ、10年前と比べれば確実に注目度も認知度も...
たべものラジオは、食のルーツを辿る旅のような番組だと思っている。その特性として、歴史という意味ではとても長い時間軸でひとつの事象を眺めることになる。ひとつの時代を切り出すのではなくて、紀元前から現代までの長い時間を、ひとつの視点からずっと追っていく。そういう見方だ。だから、ひと...
食の未来について考えていくと、ますますぼくらの仕事がよくわからなくなってくる。たべものラジオではなくて、本業の飲食店のことだ。最近では何が本業なのかわからないのだけれど、一般的には収入の中心となっている事業の方を本業と呼ぶことが多いらしい。まぁ、感覚的にはどちらが本業でどちらが...
昨日の続きです。読んでいない方は、ぜひ昨日のエッセイも読んでください。というか、文章を途中で切断したので、読まないと話がつながらないかもしれない。...
人類は食に関する課題に直面している。というと、なにやら大げさに聞こえる。ただ、食料問題に関して言えば、人類はずっと長い間、それこそ有史以前から食料問題に直面し続けてきた。時代や社会によって課題の内容が少しずつ違っているというだけのことである。...