ごみ問題を考える。エコバッグの多様化…? 2023年12月14日

エコバッグを持ち歩くのが当たり前になった。どの程度環境へのインパクトがあったのか、わからないのだけれど、とりあえずは社会が変わったというくらいのことは感じている。環境負荷が減ったのか変わらなかったのか、それとも上がってしまったのか。そろそろ、取りまとめた情報が欲しいのだけど、発表されるのだろうか。

ばあちゃんは、エコバッグの大ベテランだった。買い物に行くときには、必ず買い物かごを手に下げて近所のマーケットへ歩いていった。ぼくがおつかいを頼まれたときにも、ばあちゃんの買い物かごを抱えてマーケットへ行った。店員さんは、ぼくのことを知らなくても、買い物かごを見ればどこのうちの子供なのかわかるのだ。40年ほど前の話。

あの頃のマーケットは、現代のものと比べてずっと小さくて、暗かった。だけど、歩いていける距離には必ずあって、小規模の商圏で商売していたように思う。だからこそ、買い物かごひとつでぼくが何者なのかを知ることが出来たのだ。

野菜や果物はかごに盛られていた。肉はショーケースの中にあって、量り売りをするのが当たり前。豚バラ200gちょうだいな。と言うと、薄い緑色の紙に包んで手渡してくれた。そこには手書きで値段が書かれている。魚も似たようなもので、籠盛りのそれを包んでもらう。子供の背丈では、間近に見えるのはバケツに入ったアサリなどの貝類。そんな光景が当たり前だった。

記憶の中の映像を掘り起こしながら、少しずつ言語化してみると、驚くほど梱包材が少ないことに驚く。現代であれば、肉も魚も予め小分けにパッキングされている。プラスチックトレーのなかで染み出してくるドリップを吸い取るための用材があって、ラップで包まれている。売り場に並んだそれを買うのが当たり前になっている。いつ頃からこのスタイルになったのだろう。

一般家庭から出されるゴミには様々なものがある。近年では分別がされるようになったわけだけれど、プラスチックやビニールの量が多いそうだ。重さだけで言えば生ゴミのほうが重いのだろうけれど、包装資材が多いという印象があるという。カサがはるからかもしれないし、環境への配慮が意識にあるからかも知れない。

もし、食料品売場から梱包資材が消えたらどうなるのだろう。野菜はカゴなどにむき出しで置かれていて、肉も魚も量り売り。

野菜の袋にはどんな役割があるのか。ひとつには、グルーピングがありそうだ。一定の量を塊にしてまとめ売りする。大きさの差分を埋めて小粒ばかりが売れ残るリスクを低減しているのだろうか。まとまっていることで値付けがしやすくなって、管理コストを下げているのかもしれない。近年では、袋そのものも発達していて、野菜の鮮度保持に一役買っている。まぁ、使い切れる分だけ購入すれば、本当は不要なのかも知れないけど、それはそれで買い物に行く頻度が上がるのか。

肉や魚はどうだろう。量り売りだと、人件費がかかるのだろうか。きっと朝から働いていることだろうから、晩御飯のおかずを買いに来るお客様の相手をする頃には退勤時間になる。パックになっていれば、担当者がいなくても良いということなのだろうか。時々利用している惣菜屋さんやパン屋さんがやっている量り売りとは構造が違うのだろうか。

もし人件費がかかるというのであれば、客が自分で取り分けるのはどうだろう。パン屋さんは量り売りではないけれど、多くの店ではトングとトレイを手に持って自らパンを取るスタイルだ。予めパック詰めをしなくてもできそうじゃないか。不特定多数が訪れる環境だと、衛生管理情の問題が出るのかも知れない。ただ、パック詰め以外の解決策もあるような気もする。

肉や魚や惣菜は、パックじゃなくて自前の器を使っても良さそうだ。かつて、豆腐を購入するときには豆腐の入れ物を客が用意したのと同じ要領だ。専用のタッパーやジップロックのようなものを用意しておいて、買い物のときに持ってくる。そうすれば、そのまま冷蔵庫や冷凍庫に入れられて便利そうじゃないか。

今日も読んでくれてありがとうございます。ごみ問題って、本当に切実。近々、掛川市のごみ焼却場は廃炉になって、今よりも輸送コストが高くなることがわかっている。ゴミを出さない取り組みは、どれが良いかを検討している場合じゃない。出来ることは全部やる。というくらいのところまでやってきているんだろうな。

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