エンバクというのは不思議な植物だ。人類が農耕を始めた頃は、まだただの雑草だったらしい。まぁ、人間が利用している食用植物は、ほとんど雑草だったのだけれど。エンバクが面白いのは、大麦や小麦の栽培が始まった後の時代でも、ずっと雑草。つまり、麦畑では邪魔者だったわけだ。...
もしかしたら以前どこかで話したかもしれないのだけれど、現代の食産業は、産業革命期のアーツアンドクラフツ運動の時期に似ているののじゃないかと思っている。簡単に言うと、産業が近代化した時にあらゆる物が工場で機械的に生産されるようになった。安価でデザインを置いてきぼりにした家具などが...
「報告、連絡、相談」。通称「ホウレンソウ」は、社会人になると一番最初に言われることだろう。もっと前の学生時代から言われているかも知れない。たしか、ぼくが企業に就職したときもしつこく言われた記憶がある。で、少し思い出したのだけれど、けっこう無駄も多かったという気もしている。...
時々目にすることがあるのだけれど、飲食店によって独自のルールを決めているという記事や書き込みがある。同じく飲食店を経営している身であるから、気持ちは分からなくもない。けれども、独自ルールが特徴的であるということが記事になるような場合、少々やり過ぎではないかと思うケースが多いよう...
たべものラジオは、食のルーツを辿る旅のような番組だと思っている。その特性として、歴史という意味ではとても長い時間軸でひとつの事象を眺めることになる。ひとつの時代を切り出すのではなくて、紀元前から現代までの長い時間を、ひとつの視点からずっと追っていく。そういう見方だ。だから、ひと...
話し合いという場で、どうしても会話が噛み合わないことがある。それは、それぞれの人が大切にしているポイントが違ったり、思想が違ったり、解釈が違ったりするからで、ある意味仕方のないことだ。むしろ、そうした人たちとの対話は望ましいとすら思う。ただ、上記のこと以外で会話が進まないことが...
最初に「ふぐ」を食べた人ってスゴイよね。という話を聞くことがある。ふぐに限らず、毒のあるものやグロテスクなものは、その対象となることがある。なのだけれど、よくよく考えたら、そんなにスゴイことなのだろうかという気がしてきた。まぁ、ひねくれ者の発想かもしれない。...
昨日の続きの話になるのだけれど、つくづく日本のなかの日本らしさっていうのは、レイヤードなんだろうなと思う。歌枕を巡る旅というのもそうだし、芭蕉に始まる俳諧もそうだ。どこかに起点はあるのだろうけれど、大抵のモノゴトは、その前に何かが存在している。それらを踏まえて、なぞるのだ。なぞ...
今年に入って、久しぶりに外国からのお客様が増加している。掛川のような田舎町では、まだそれほどの実感は沸かないかもしれないが、それでも時折外国人を見かけるようになった。観光庁のデータを見る限りは、1-3月だけでも既に400万人以上の来日だそうだ。...
「顔合わせ」「結納」は、結婚に関連する儀式である。昨今は、その存在意義が伝承されていないのか、様々な問い合わせが増えている。それとともに、個々の自由な言葉の解釈に変化してしまっていて、会話の齟齬すらも起きているらしい。...