武藤太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ留学。帰国後東京にて携帯電話などモバイル通信のセールスに従事。2014年、家業である掛茶料理むとうへ入社。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務め、食を通じて社会や歴史を紐解き食の未来を考えるヒントを提示している。2021年、同社代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなど、食だけでなく観光事業にも積極的に関わっている

「時間で働く」は、いつから正解になったのか。

2025/12/29    , ,

“深夜帯に「休憩時間を過剰取得」で懲戒”というニュースを見た。別に、この件について意見があるわけじゃない。ただ、ちょっとした違和感を覚えたのだ。しばらくニュースのことは忘れていたのだけど、今頃になって ...

絵に描いた餅は、食べられない。—「わかったつもり」と「腑に落ちる」 2025年12月27日

2025/12/27    , , ,

見たこともない食材に出会った時、どう調理して良いのかわからないということがある。下処理だとか、調理方法だとか、味付け、相性の良い食材、などが想像つかない場合のはなし。まずはインターネットで検索するだろ ...

誰のためのお茶か。—輸出から日常茶へ

2025/12/26    , ,

1853年、江戸湾入口の浦賀沖に真っ黒な外国船が現れた。マシュー・ペリー率いるアメリカ海軍の艦隊、通称“黒船”である。江戸幕府は大慌て。その狼狽ぶりは「泰平の眠りを覚ます上喜撰、たった四杯で夜も寝られ ...

近代茶業を支えた意思。—高林謙三という選択

2025/12/25    , ,

静岡の茶業は、いつから”工業”になったのだろう。工業化は時代の必然だったとはいえ、自然にそうなったのではなく、どこかの誰かが「必要だ」と感じたから始まったはず。形を変えながらも伝統産業が今も受け継がれ ...

あの雲はたぶん、バナナだ。 —「見立て」という日本の作法について 2025年12月22日

2025/12/22    , , ,

「見てみて、あの雲、バナナみたい。」大人であるぼくは、娘の無邪気な声に目を細めるだけ。実にほのぼのとした時間。「あぁ、ホントだね。」言葉を返すと同時に、ある考えが浮かんできた。 雲をバナナになぞらえて ...

料理の「らしさ」は、どこから来るのか。 2025年12月17日

2025/12/17    ,

「味噌って良いよなぁ。うらやましいよ。」随分前のことだけれど、あるフレンチのシェフに言われたセリフだ。どういうこと?と思っていると、続きを語ってくれた。「普段からいろんなソースを手間かけて作っていて、 ...

タレなのか塩なのか、それが問題だ。⋯⋯いや、問題なのか? 2025年12月10日

2025/12/10    ,

世の中にはいろんな“◯◯論争”というものがある。「2つの選択肢のうちどちらがより好ましいか」ということを論じ合うもの。資本主義と社会主義、民主主義と権威主義という難しい論争もあれば、きのこたけのこ戦争 ...

がむしゃらの向う側にあるもの。 2025年11月19日

2025/11/19    , ,

走る、投げる、蹴る、打つ。どんなスポーツも、一流選手の動きって、見ているだけでワクワクする。スポーツそのものがスリリングだってこともあるけれど、それ以上に「なんか人間ってすごいな」と思ってしまう。 一 ...

鯛がメデタイのはなぜだ? 〜祝魚の宿命を負った魚の物語。 2025年11月11日

2025/11/11    , , ,

お祝いに相応しい食べ物といえば、何を思い浮かべるだろう。赤飯やエビや昆布、豆などを思い浮かべる人もいるかも知れないけれど、やっぱり「鯛」が代表格になるだろうか。日本では、ずいぶんと古い時代から「祝魚= ...

ビジネスの「価値」、社会的存在としての「価値」〜飲食店の未来を考える。 2025年11月10日

2025/11/10    , ,

外食産業って、どういう存在なんだろう。歴史を紐解けば、いくつかの目的がルーツとして見えてくる。 ざっくり外食文化の歴史 最初は、外出時の食料供給。旅に出たら、移動中の食料をすべて持ち運ぶのはなかなか大 ...