接待というと、あまり良いイメージを持たない人が多いのかもしれない。談合や官官接待などという言葉がメディアを賑わせていた時代があって、接待イコール賄賂というイメージが付いてしまったのだろうか。それとも、とにかく面倒なことで、仕事の話は昼間の間に会議室で行えばよいと考えるのだろうか...
常々思っているのだけれど、日本料理の特徴のひとつに、なんでも自己流で再解釈してしまうというのがある。自然信仰があって、自然を尊び調和を目指すという世界観が根付いているから、他の世界観を持った地域からもたらされた知見も食材も食材も料理も、みんなこの思想で再解釈される。そんなふうに...
地球環境と表現すると、いささかスケールが大きすぎて物怖じしてしまいそうだけれど、人類と食との関係を勉強していると、環境の変化に目を向けざるを得ない。氷河期が終わって暖かくなったとか、太陽活動が弱まったとか、どこかで大噴火がおきたとか。その他いろんな環境の変化によって、人類の食生...
仕事帰りに居酒屋で一杯。差し出されたおしぼりで顔を拭いたら気持ちいいだろうな。ということは、たぶんみんな知っている。けれども、そんなことは出来ない。マナー違反だと知られているからなのか、それとも周囲の女性に冷ややかな視線を送られるのに耐えられないからなのか。とある女性の友人に言...
バレンタインデーが静かに通り過ぎていった。妻や娘から手作りのチョコレートをもらって、それが世の中の一大イベントの一貫であるということを忘れいていた。うまく表現ができないのだけれど、それは家族のイベントで、家族がほっこりと喜びあえるものだという感覚。...
たべものラジオの最初のシリーズは味噌汁だった。味噌ではなくて味噌汁。ある意味トリッキーなスタート。順当に進めるならば、味噌や出汁についての話が先に来る方がわかりやすいかもしれない。にも関わらず、味噌汁が最初だったのには理由がある。理由というと大げさか。思い入れがあると言ったほう...
日本中のあちこちで、「生」がブームになっている。それも最近のことじゃなくて、けっこう長いこと続いているような気がする。「日本人は生が好きだからね。だから刺し身があるんだよ。」なんてことを聞いたけれど、どうも腑に落ちない。生食をするのは日本人だけのことじゃないのだ。...
長らく不思議に感じていることがある。それは、日本の食事スタイルのこと。なぜ、日本では銘々膳のスタイルが一般的なのだろう。そんなことに疑問を持つことに意味はないのかもしれないのだけれど、日本だからこそ不思議に感じてしまうのだ。...
外食の価値ってなんだろう。思えば、たべものラジオを始めるきっかけになった問いだった。飲食店を経営するには、原点に立ち返る必要があると思ったんだ。そのためのアプローチとして、外食の始まりへと遡ることもしたし、現状を観察していろいろと考えてみたりもした。...
たべものラジオのシリーズ「スシ」や「日本料理の変遷」「蕎麦」で、こんな事を言った。「だいたい、前の時代のひとつ上の階層の文化を踏まえて変化する」。身分制度があった時代、社会には特権を持つ階層が存在していた。彼らの文化が、段階的に庶民へと伝わっていき、その度に変化を重ねていく。そ...