Tag食文化

民主化して広がるものと、そうではないもの。 2024年4月13日

元禄文化の最初の頃に活躍した松尾芭蕉。日本の義務教育を受けた人なら必ず聞いたことがある名前だし、有名な句のひとつやふたつくらいは諳んじられるはず。「夏草や」、「古池や」、「五月雨を」などと最初の歌いだしだけでもそれが何かわかるほど。個人的に好きなのは「海暮れて、鴨の声、ほのかに...

気候変化にあわせて、料理の味も変わっていく。 2024年4月4日

今年は少し桜の開花時期が遅いらしい。という話なのだけれど、本当かなあ。たしかに、昨年よりは遅いのだけれど、それって昨年が早すぎたんじゃないだろうか。なんとなく、4月の初旬に桜が満開になるようなイメージもあるのだ。人間の記憶や感覚というものは、あまり信用ならないようだ。...

接待ってなに?ビジネスに必要なの?その本質を探る。 2024年3月15日

接待というと、あまり良いイメージを持たない人が多いのかもしれない。談合や官官接待などという言葉がメディアを賑わせていた時代があって、接待イコール賄賂というイメージが付いてしまったのだろうか。それとも、とにかく面倒なことで、仕事の話は昼間の間に会議室で行えばよいと考えるのだろうか...

「◯◯料理」というのは、その地域の世界観そのもの。 2024年3月3日

常々思っているのだけれど、日本料理の特徴のひとつに、なんでも自己流で再解釈してしまうというのがある。自然信仰があって、自然を尊び調和を目指すという世界観が根付いているから、他の世界観を持った地域からもたらされた知見も食材も食材も料理も、みんなこの思想で再解釈される。そんなふうに...

時間の長さと持続可能性。 2024年2月28日

地球環境と表現すると、いささかスケールが大きすぎて物怖じしてしまいそうだけれど、人類と食との関係を勉強していると、環境の変化に目を向けざるを得ない。氷河期が終わって暖かくなったとか、太陽活動が弱まったとか、どこかで大噴火がおきたとか。その他いろんな環境の変化によって、人類の食生...

「おしぼり」が日本独自である、そのわけ。 2024年2月24日

仕事帰りに居酒屋で一杯。差し出されたおしぼりで顔を拭いたら気持ちいいだろうな。ということは、たぶんみんな知っている。けれども、そんなことは出来ない。マナー違反だと知られているからなのか、それとも周囲の女性に冷ややかな視線を送られるのに耐えられないからなのか。とある女性の友人に言...

今更だけど、バレンタインデーとチョコレートの話。 2024年2月16日

バレンタインデーが静かに通り過ぎていった。妻や娘から手作りのチョコレートをもらって、それが世の中の一大イベントの一貫であるということを忘れいていた。うまく表現ができないのだけれど、それは家族のイベントで、家族がほっこりと喜びあえるものだという感覚。...

個人的な食の原点。味噌汁愛を語る。 2024年2月8日

たべものラジオの最初のシリーズは味噌汁だった。味噌ではなくて味噌汁。ある意味トリッキーなスタート。順当に進めるならば、味噌や出汁についての話が先に来る方がわかりやすいかもしれない。にも関わらず、味噌汁が最初だったのには理由がある。理由というと大げさか。思い入れがあると言ったほう...

「生」なんちゃらって多過ぎやしませんか。 2024年1月31日

日本中のあちこちで、「生」がブームになっている。それも最近のことじゃなくて、けっこう長いこと続いているような気がする。「日本人は生が好きだからね。だから刺し身があるんだよ。」なんてことを聞いたけれど、どうも腑に落ちない。生食をするのは日本人だけのことじゃないのだ。...