Tag食文化

食産業の未来を考える。たべものラジオ的思考。2023年5月27日

もしかしたら以前どこかで話したかもしれないのだけれど、現代の食産業は、産業革命期のアーツアンドクラフツ運動の時期に似ているののじゃないかと思っている。簡単に言うと、産業が近代化した時にあらゆる物が工場で機械的に生産されるようになった。安価でデザインを置いてきぼりにした家具などが...

「食事」という人類の営みの歴史から見る「作法」と「矜持」 2023年5月25日

時々目にすることがあるのだけれど、飲食店によって独自のルールを決めているという記事や書き込みがある。同じく飲食店を経営している身であるから、気持ちは分からなくもない。けれども、独自ルールが特徴的であるということが記事になるような場合、少々やり過ぎではないかと思うケースが多いよう...

世界で初めてふぐを食べた人。ってスゴイの? 2023年5月22日

最初に「ふぐ」を食べた人ってスゴイよね。という話を聞くことがある。ふぐに限らず、毒のあるものやグロテスクなものは、その対象となることがある。なのだけれど、よくよく考えたら、そんなにスゴイことなのだろうかという気がしてきた。まぁ、ひねくれ者の発想かもしれない。...

日本伝統文化の「伝統」って、もしかして「レイヤード」のことなんじゃないだろうか。 2023年5月21日

昨日の続きの話になるのだけれど、つくづく日本のなかの日本らしさっていうのは、レイヤードなんだろうなと思う。歌枕を巡る旅というのもそうだし、芭蕉に始まる俳諧もそうだ。どこかに起点はあるのだろうけれど、大抵のモノゴトは、その前に何かが存在している。それらを踏まえて、なぞるのだ。なぞ...

「顔合わせ」と「結納」の意義。歴史に裏打ちされた現代における機能。 2023年5月19日

「顔合わせ」「結納」は、結婚に関連する儀式である。昨今は、その存在意義が伝承されていないのか、様々な問い合わせが増えている。それとともに、個々の自由な言葉の解釈に変化してしまっていて、会話の齟齬すらも起きているらしい。...

料亭料理の未来とフードテック 2023年5月14日

食の未来について考えていくと、ますますぼくらの仕事がよくわからなくなってくる。たべものラジオではなくて、本業の飲食店のことだ。最近では何が本業なのかわからないのだけれど、一般的には収入の中心となっている事業の方を本業と呼ぶことが多いらしい。まぁ、感覚的にはどちらが本業でどちらが...

「保存」と「移動」という、食のエコシステムの鍵。 2023年5月12日

人類は食に関する課題に直面している。というと、なにやら大げさに聞こえる。ただ、食料問題に関して言えば、人類はずっと長い間、それこそ有史以前から食料問題に直面し続けてきた。時代や社会によって課題の内容が少しずつ違っているというだけのことである。...