世間は春休み。あちこちで子供連れの家族を見かける季節だ。ショッピングモールも、近所のスーパーマーケットも、アミューズメント施設も、いたるところで子供の声がする。長期休みでなくても土日ならば代わり映えのない光景なのかもしれないけれど、平日休みのぼくらにとっては年に数回やってくる体...
朝の厨房は冷え込む。手を洗う水は冷たくて、すっかり指先の感覚が鈍ってしまう。包丁を持つ微細な感覚を取り戻そうと、少しずつ温めながら感覚を研ぎ澄まそうとする。冬の毎朝の恒例行事である。勝手口から外に出ると、思いの外暖かさを感じるのは、差し込む朝日のおかげだ。太陽というのは、かくも...
東南アジアや中央アジアに旅行された方は体験したことがあるかもしれない。一物一価など無縁の世界がそこには広がっている。上記のようなコストの概念が適用されている場合もあるが、多くはボッタクリ根性に見える。しかし、そこには「持てるものからは対価をもらい、持たざるものには恵みを」という...
誰かの日常は、他の誰かの非日常になる。というのは、ぼくの持論のつもりだったんだけど、割りと知られた考え方だ。ただ、これをカタチにするのがなかなか難しいんだよね。...
飲食店が社会に存在している理由のひとつに、「非日常の体験を提供する」というものがある。普段の生活では体験できないことだからこそ、お金を払ってでも体験する価値がある。もちろんこれだけじゃないけどね。日常生活の代行という意味も存在している。いわゆるアウトソーシング。自社の中でも出来...
最近、ふと思ったのだ。世の中にはなぜデザインが求められるのかと。そんなことわかりきっている。という声も聞かないではない。けれども、よくよく考えてみると不思議なことのように思えてくるのだ。...
商用デザインの話で、テレビの登場が大きな影響を与えたということを聞いたことがある。聞いたことがなくても、そりゃそうだろうなとは思うよね。直感的に。...