何度となくこのエッセイに登場するのが祖母である。それだけ僕の人生において祖母が伝えてくれたことが影響を与えている。 子供の頃、祖母に「なんで勉強をするの?」と聞いたことがある。祖母はこう言った。「勉強しなければバカになっちゃうじゃないか」...
まつろわぬ民という言葉がある。帰順しない民族とか、隷属を拒む民族とかいった意味で使われる。日本でも中世くらいまでは当たり前だった。有名なところでは京都や堺の人たちは、権力に対してまつろうことを拒んでいたから、自治領として独立的だった。何かに所属していなければ生活の不安があるとい...
中学高校時代、いわゆる社会科目が苦手だった。特に歴史。もっと言えば世界史。さらに細かく言うと、個人名や年を覚えさせられるのがなんとも苦手だった。カタカナの名前なんかは、もうちっとも頭に入ってこなかったたし、中国史だと読み方は一緒なのに違う漢字表記だとか、全く同じ名前なのに別人と...
昨日の続きです。前編を読んでないと話が繋がらないと思うので、よかったら昨日のエッセイも読んでから進んでみてください。...
話し合いという場で、どうしても会話が噛み合わないことがある。それは、それぞれの人が大切にしているポイントが違ったり、思想が違ったり、解釈が違ったりするからで、ある意味仕方のないことだ。むしろ、そうした人たちとの対話は望ましいとすら思う。ただ、上記のこと以外で会話が進まないことが...
昨日の続きの話になるのだけれど、つくづく日本のなかの日本らしさっていうのは、レイヤードなんだろうなと思う。歌枕を巡る旅というのもそうだし、芭蕉に始まる俳諧もそうだ。どこかに起点はあるのだろうけれど、大抵のモノゴトは、その前に何かが存在している。それらを踏まえて、なぞるのだ。なぞ...
「顔合わせ」「結納」は、結婚に関連する儀式である。昨今は、その存在意義が伝承されていないのか、様々な問い合わせが増えている。それとともに、個々の自由な言葉の解釈に変化してしまっていて、会話の齟齬すらも起きているらしい。...
「みんなと同じ様に休んでおいて、更に休もうっていうの?」 小学5年生の頃だから、かれこれ30年以上も前の話。ゴールデンウィークが終わってから、来週3日間学校を休む旨を担任の先生に伝えた。クラス中に響き渡る大声で彼女に言われたのが冒頭のセリフだ。...
チームとか組織といったものが、どういう状態になればより良く機能するのか。といったことを論じている書籍は結構多い。なかには、歴史上の偉人を取り上げて解説しているものもあるのだけれど、果たして家康の組織論やアレクサンドロス大王の組織論が現代に通用するものなのだろうか。...
世の中には、実に多くの「知らないこと」がたくさんあるものだ。食べ物の歴史を紐解くだけでも、それは多くの学びを得ることが出来る。基礎知識が不足しているために、周辺のことまでイチイチ学び直さなければ理解できないのだけれど、それがまた面白くもある。...