今日のエッセイ-たろう

足元観光を楽しんできた。 2022年8月24日

観光してきた。地元掛川を堪能してきたのだけれど、なかなかおもしろい。足元観光は久し振りだったなあ。案外、住んでいる市町をちゃんと観光客になってあるき回るってことしないよね。遠方から知人や親戚が来た時に紹介して、じゃあ一緒に行こうかってくらいのものじゃないかな。

まぁ、今回も遠方に住んでいる娘が来てくれたので出かけたわけだ。そういう機会がないと、足元観光なんてしないのかもしれない。

観光ガイドよりも、それなりに詳しくガイド出来たはず。だと思っているんだけどなあ、どうだろう。地元のことだし、観光協会の役員でもあるのだ。それなりのことは出来ないとカッコ悪いもんね。

実は、何ヶ月かに一度は足元観光に出かけているのだ。家族と一緒だということもあれば、誰かを案内することもあるし、一人でということもある。時々は「客観的に見る」視点を、あるいみ強制的に作らないとね。ブレてしまうんだ。

うちの店の強みはここ。だからこれを売りたいんだ。と方針を定めるのは自由だけど、お客様が感じている「お店の良さ」っていうのが違うかもしれない。そういう、自己評価のズレは必ず発生する。だから、時々は観光客というよそ者気分で地元を観光するわけだ。

地域プロモーションでは、かなりズレたまま施策が実行されているケースがたくさんあるよね。びっくりするくらいたくさんある。だけど、本人たちは気がついていないんだ。ホントはこのズレを修正するために外部コンサルタントを入れるんだけどね。コンサルタントのスキル不足なのか、せっかくのアドバイスを聞き入れない地元のせいなのか、効果が少ないらしいのよ。

ぼくが感じている「ブレるポイント」はいくつかあるんだけど、だいたいこの2つに集約される。「イメージがわかない」「求められていることと売りたいことのギャップ」

静岡。と聞いて何を思い浮かべるだろうか。多少は「富士山」とか「お茶」を思い浮かべてくれるだろうから、まだマシな県。地域によっては「特になし」なのだ。そもそも、どの辺り?って思っている人が結構な人数で存在するんだよね。

北海道。京都。沖縄。とりあえず、何かしらの映像を想起できるでしょう?イメージが出来るから、そのイメージの中にいる自分もイメージできる。イメージのわかない場所は、その場所にいる自分をイメージすることが出来ない。だから、行きたいと思うことがない。

でね。こういう外部から見るイメージと、見せたいイメージがズレているっていうのも大きなポイントだったりするわけだ。

静岡県のキャンペーンで「しずおか元気旅」っていうのがある。富士山をかたどったロゴ。その富士山から手が伸びていて力こぶ。アッパレ!という吹き出し。これ、ホントに静岡県のイメージとマッチしてるかな。少なくとも、静岡県が発信しようとしている「お茶」のイメージとは思いっきりズレているよね。お茶のイメージはホッと一息。ほっこり、癒やし、まったり、という言葉が近い気がする。このイメージと「アッパレ!元気旅!」ってミスマッチだよなあ。「ホッと一服お茶のくに」くらいの方が良いんじゃないかなあ。どうだろう。個人的な感想です。

外部の視点を入れるって大事だよね。外部から見ることが出来ないのであれば、外部の人にお願いして指摘してもらうことだ。それから、事業主体の人間がちゃんと勉強することね。

経験しなくちゃわからないこともたくさんあるけれど、経験だけじゃわからないこともたくさんある。経験だけに頼ると、短い期間のトレンドを常識だと勘違いしてしまう。先入観っていうやつね。経験を踏まえない知識は使いものにならないこともある。頭でっかちね。この両方を掛け合わせることを考えなくちゃね。

ということを、ふんわり考えながら。娘とのデートを満喫してまいりました。

今日も読んでくれてありがとうございます。掛川観光で訪れたのは、大日本報徳社と高天神城。二宮金次郎ゆかりに報徳思想の日本の中心が実は掛川なんだよね。あとは、戦国時代の東海道の攻防があった場所なんだよね。っていうのを親子でキャッキャしながら遊んできたの。

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武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ留学。帰国後東京にて携帯電話などモバイル通信のセールスに従事。2014年、家業である掛茶料理むとうへ入社。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務め、食を通じて社会や歴史を紐解き食の未来を考えるヒントを提示している。2021年、同社代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなど、食だけでなく観光事業にも積極的に関わっている

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