ぼくらのような料理人の本分は、美味しい料理を作ることだ。これはこれで技能。それなりに知識が必要だし、練習も必要。その結果としていろんな美味しいものが生み出されるわけだよね。 「おいしく作る」に対して「おいしく食べる」ということを少し考えてみようと思う。...
日本で廃仏毀釈のムーブメントが起きた明治初期、多くの寺が壊されて無くなってしまった。今思うと、もったいないということにはなるのだけれど、当時の価値観では違ったようだ。大きなお寺の壁や床の板も、薪として売りに出されていて、それも二束三文だったらしい。残っていたら観光資源になったん...
先日祖母の一周忌法要があった。ばあちゃんっ子だったぼくは、ばあちゃんから貰った言葉がいくつもある。ケセラセラっていうのもよく言っていたな。なるようになるっていう感じで使われることが多いけれど、それともちょっと違う。もっと老子の上善如水のような意味で言っていたような気がするよ。...
食のパーソナライゼーション。聞いたことがあるかな。ぼくも最近になって聞くようになった言葉だ。パーソナライゼーションって、感覚的な表現だし、日本語に的確な言葉が見つからないんだよなあ。...
現代のぼくらは、だいたい時間を気にしながら生きている。もしかすると、時間に縛られている感覚すらあるかもしれないよね。仕事でも、何時から会議があるとか、何時までに出社しなくちゃいけないとか、そのためには何時の電車に乗るとか。下手をすると、お昼ごはんを食べるタイミングも時間で決めて...