今日のエッセイ-たろう

久々に営業とかマーケの話を思い出した。 2022年8月28日

「これ、買ってください」という営業方法って、今でも主流なんだろうなあ。昨日のエッセイで、接待のことを書いていたら、前職の頃を思い出しちゃった。そんな時に、面倒くさい営業電話がかかってくるもんだからさ。懐かしいなって。で、あんまり変わってないんだって思ったのね。

どうでもいいけど、電話営業ってテンプレートがあるんだよね。以前、コールセンターを運営していたときにも作っていたしさ。台本と言ったり、トークスクリプトって呼ぶんだけど。これがあんまり変わってないんだよね。

「こういう商品があるので、興味ありませんか」「買ってください」といのは、まだ良心的なほうだよね。面倒くさいのは、「ちょうど今そちらの地域を営業マンが回っておりまして。せっかくなのでお得になる話を聞いてみませんか?」みたいなことを言うの。ぼくが運営していたコールセンターでこのタイプのトークスクリプトを提出してきた責任者もいたけど、ばっさり却下。だって、嫌いなの。

お客様から見ると、丁度いいタイミングなのはそちらの都合であって私には関係ないのだ。恩着せがましく見せているだけ。そういう意味では、電気代が安くなる新プランの情報があるのでお知らせしていますっていうのも却下。お客様からしたら、聞いてみてホントに安かったら考えるよっていうのがホントのところでさ。だったら、弊社への乗り換えを促進しています。安くなる可能性があるので聞いてみてくださいって、そういう方が気持ちいいんだよなあ。

そんな営業じゃ数字が上がらないよ。という営業職の人がいるんだけど、どうなんだろうなあ。ぼくがやっていたコールセンターの成績が、他者と比較してどうなのかは知らないからね。電話をかけた方のうち、2割位は安定的に契約してくれていたけどね。そのくらいで良ければ、なんとかなるんじゃないかな。

ど直球の真っ向勝負か。

ぼくが営業の時に一番得意としていたのは、もっと違うスタイル。電話営業もそうだし、ガツガツと接客するスタイルの販売員もそうなんだけど、狩猟民族っぽいじゃん。やれって言われれば、それなりに経験もあるし、エビデンスに基づいたロジックも持っているから、それなりにはやるよ。だけど、あんまり好きじゃなかったなあ。

基本的に、お客様が欲しいと思ってくれたら、なんにもしなくても良いじゃん。お客様が嫌な気持ちになるリスクもほとんどないわけだ。個人的な好みとしては、そういう営業スタイルが好きで、在職中はずっとそのスタイルだったなあ。

お客様に「これいいじゃん。欲しい」って思ってもらうための工夫や努力はしたよ。売り場だったらPOPなんかもそうだし、人の配置とか教育。渉外営業だったら、資料とか、情報収集とか。そうそう、見せ方は工夫したかも。そうだなあ、例えばパソコンを売るとしようか。お客様はパソコンにそんなに詳しくなくて、ライトユーザーだとする。電気屋さんでパソコンコーナーを眺めている人のほとんどはこのタイプね。で、販売員は一生懸命に機能の説明をしてくれるんだよ。だけどさ、基本的にパソコンって何でもできちゃうの。スペックの違いはあっても、ライトユーザーにとってはどれでも良いわけ。

近所のスーパーに買い物に行くのに、電動だろうが軽自動車だろうがケットラだろうが、もう何でもいいの。それだけのニーズだったらさ。別にメルセデスだって良い。

世の中に、「いろいろ」という色は存在しない。色っていうのはメタファーだけど、ブランディングとしては映像としてイメージが出来るかどうかって話。パソコンだったら、実際に自分が使っているイメージが湧くかどうかだね。京都とか北海道って言われたらイメージが湧くでしょ。だいたいみんな似たような写真を思い浮かべる。だから、その場所を訪れたときのイメージが湧く。だから行ってみたいと思う。そんな感じのメカニズム。

特徴をイメージ化するために、特徴のどの部分を捉えて、どのように見せるか。それだけで、ずいぶんと変わるんだ。A社だったら、パソコン本体がオシャレなのでインテリアとしても素敵。B社だったら、映像がキレイで音がいいので動画に向いている。とか、メーカーの得意なところをピックアップしてイメージ化してもらう。これ以外の機能や活用のはなしは、イメージ化ができた後のこと。

でね。イメージ化するために、一旦は絞り込む。尖るってことが入り口で・・・。

ああ、これ語りだしたら長くなるかな。そろそろやめとこ。こういう営業やマーケティングの知識って、今はあんまり言語化しないからね。だって、実行するのがぼくと拓郎しかいないからさ。誰かに伝えるってことがないんだもの。

今日も読んでくれてありがとうございます。以前「とことん尖る」ということを考えていて、思いついたことがあるのね。まちづくりでさ。日本中の廃校になった学校でいらなくなった二宮金次郎の像を、掛川に大集合させたら面白そうだなって。ちゃんと台座に乗せて、出身校とか地域名とかを書いたプレートを付けて。駅前通りから報徳社までの道のりに、数十体が並んでいるの。メチャクチャ尖るよね。いいの。一部に響けば。尖るってそういうことだから。

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武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ留学。帰国後東京にて携帯電話などモバイル通信のセールスに従事。2014年、家業である掛茶料理むとうへ入社。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務め、食を通じて社会や歴史を紐解き食の未来を考えるヒントを提示している。2021年、同社代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなど、食だけでなく観光事業にも積極的に関わっている

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