友人との雑談からまちづくりの話。 2024年6月19日

地元の同級生に聞いた話。駅前商店街で商売をしていることから、商店街界隈のまちづくりや開発について、いろいろ思うところがあるという。先ごろも、関係各所との会合があって出席したのだけれど、周りを見渡したら自分が最年少であることに衝撃を受けたという。ほとんどの人が両親と同世代。

議題が10年以上のスパンで考える駅前開発だというのに、ほとんどが70代以上というのは、ちょっと考えなければならない。先輩方が悪いというわけではない。むしろ、これまでの知見は学ぶべきところも大いにある。ただ、46歳が最年少というのが気になるのだ。2050年を見据えたとき、今の最年少は70代になっている。もう少し下の世代がたくさん関われるようにしたいと思ったそうだ。そう思って、周囲の商店に目を向けてみると、我々や下の世代が驚くほど少ない。出てこないとかやる気がないとかじゃなくて、物理的にいない。

とても良くしてくれていた先輩が、以前こんな事を言っていた。「俺が盾になってやる。うるさいオヤジは黙らせるから、好き勝手にやってみろ。」今でも尊敬するカッコいいオヤジだ。年齢で区切ってしまうと、人口動態的に若い世代のほうが人数が少ないから、どうしたって前述のような会議になるわけだ。とくに、地方都市はその傾向が強い気がする。だけど、もしカッコいいオヤジがたくさんいたらどうだろう。

もしかしたら、ぼくら世代は早々にバトンを渡すようになるかもね。なんて話していた。ああいうカッコいいオヤジになりたいじゃない。今は、まだ前線で頑張るんだけど、割と早いタイミングで後方にまわることになるような気も、どこかにある。そう思ったら、今もっと動かないとなあ。やれることは、やれるだけ一生懸命やろう。

別の話だけど、このときの会話で出たことを少し。

駅前通りは、ちょっと広すぎる。2車線で、路肩に駐車車両があっても通行できるくらいの広さ。それに加えて歩道がある。街路樹もある。たいそう立派なのだけれど、ブラブラと街歩きを楽しむには広すぎるんだよね。道の反対側に面白そうなお店を見つけても、道を渡るのが憚られる。それどころか、街路樹が視界を遮っている。歩行者のことを考えて立派な歩道を作ったのだけど、その前提には車の乗り入れが便利というのがあるよね。まず車ありきで、歩行者のことも考えてますよと。

そういうのが良い時代もあったのだろう。だけど、車は速すぎるんだ。当たり前だけどさ。それに駐車する場所も考えなくちゃいけない。だから、「道を少し戻るかもしれないけれど筋向かいに見えた面白そうな店」に行きづらい。というか気づかないかもしれない。なんだかわからないけれど、ダラダラと暇つぶしに人が歩いていて、なんだかわからないけれど人が滞留している。そうすると、人ってまた集まってきちゃうんだよね。これはもう、歴史のどのシーンを切り取ってもそう。そういう性質なんだろうな。

ウォーカブルシティなんて言葉があって、建物だとか店だとかバリアフリーだとかの話もよく出る。まちなかに駐車場を作ったほうが良いなんて話もある。だけど、ぼくが思うのは、なによりも道が狭いことだ。そういうのを意図的に設計すること。だから、旅行したときにはいつもこの視点でまちを観察するんだ。

とあるショッピングモールの建物関係の方とお話をしたときに、同じことを考える人がいると聞いた。というのも、そのモールを作るときに参考にしたのが、日本の賑ある商店街だったという。向かい側の店が見やすくて行きやすくて、隣にも行くし戻りやすい距離感。滞留しやすい状況。購買がなくても遊びに行きたくなる空間。そのヒントは商店街だったと言うから驚きだ。であれば、ノウハウの集約されたショッピングモールもまちづくりのヒントになるだろう。

今日も読んでいただきありがとうございます。ゆっくり回遊する自動運転車があって、誰でもひょいと飛び乗れて気軽に降りられる。時速でいったら10とか15くらいかな。そういうのもアトラクションとして面白いと思うんだよね。まぁ、事故のリスクが、とか足の悪い人が、という批判が出るんだろうけど。それはまた、別の取り組みをしたら良いんじゃないかと思うよ。

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