今日のエッセイ-たろう

妄想世界膝栗毛。のすゝめ。 2024年7月21日

いま住んでいるところをもっと快適でより良いものにする。ことの大小はあるけれど、誰でも考えたことがあるだろう。パソコンはこっちに置いたほうが良いかな。テレビの角度はどうだろう。水回りはキレイな方が気持ちがいいよね。といった具合に日常的なこともある。

空き家が増えているから対策しなくちゃね。公園の整備はどうすれば良いかな。大水が出ると海がゴミだらけになっちゃうから、清掃も必要だけれどゴミを減らすことも考えなくちゃね。というのも、やっぱり生活環境を快適にしたいって思っているから考えたり行動したりするわけだ。

行政組織は、一人では出来そうにないことをみんなでやるためにある。お金を集めて、住民の代わりに考えて実行する。社会契約説っぽく考えるとそういうことなんだろう。だから、政治の本質は保守であり後手にまわるものなんだって、どこかの偉い人が言っていた気がします。

でね。もちろん、そういうことってとっても大切なことだし、むしろそれが行政組織の本分と言っても良いのかもしれないけれど、それだけだとちょっとつまんないなって思うのよ。

ぼくらが子供だった頃は、「小学◯年生」とか「科学」とかの雑誌に、未来想像図が掲載されることがあったよね。ビルの間に透明のチューブが縦横無尽に張り巡らされていて、タイヤのない自動車がそのなかを走り抜けている。ビルはへんてこなカタチをしていたし、気ている服もツルンとした薄手の宇宙服のようなものだったような記憶がある。はじめて映画バックトゥーザフューチャーを見たときは、ストーリーだけじゃなく、描かれる近未来の世界観にワクワクしたものだ。

こういうのって、欲しくない?ほとんど妄想で良いんだ。SFの世界で構わない。社会はこんなふうになっているかもしれないよね。だとすると、毎日の生活はこんな感じなのかな。これが日常になるんだったら、現代ぼくらが使っているこの道具はなくなっちゃうかもね。もし、このアイテムが大流行したら、それを取り合うようなことが起きるのかな。車が増えて渋滞が起きたり、モバイル通信が発達して電波の割当が問題になったりしたようなことが起きるかもしれない。

半世紀くらい先の未来を妄想してみて、どんな世界だったら「楽しいか」を描いてみる。「快適」に「楽しさ」を加えてみる。どうせ妄想なんだし、考えるだけでも楽しいんだから良いじゃない。多くの人の合意をとるのは無理だろうけれど、誰かと一緒に楽しめる範囲で描いてみたら、そのとき一緒にいる人達はある種の運命共同体のように感じられるんじゃないかな。

もしかしたら、妄想だと思っていたことの中にも、一部現実に反映できるものが現れるかもしれない。これだったら、似たようなことが出来るんじゃない?じゃあ、試しに実装してみようかなんてことになるかもしれない。

できるなら、ヴァーチャルワールドを作ってしまいたいくらいだ。VRゴーグルを通して、妄想した未来のわが町を散策する。家を建てるときも、車を設計するときも模型を作るでしょう。イメージが湧くし、共有もできる。VRなら、疑似体験まで出来ちゃうわけだから、現実にバックキャストする前にいろいろと改善案を練ることだって出来るかもしれないよ。

大人も子供も日本人も外国人も、色々集まって面白い世界を考えてみる。なんにもならないかもしれないし、何かが生まれるかもしれない。ただただ、真剣に考えて真剣に面白がってみるだけで良いと思うんだ。

だってさ。直面する課題にどんな対策があるか頭を悩ませることなんて、もうAIがいくつも提案してくれるんだから。だから、夢みたいなものくらいは、人間が考えたら良いんじゃないかな。なんてことを、副市長と話してきた。

今日も読んでいただきありがとうございます。どっちが良いってことじゃなくて、両方あったほうが良いんじゃないかと思うんだよね。直面している課題と向き合いながら、同時に妄想の世界を現実のものにしてやろうとあがいている。集まってワイワイやっているうちに、集まりの中から何かをやりだす人が出るんだろうなって思うんだ。歴史上、いろんなシーンでそういうよくわかんない集団が登場するんだもの。

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武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ留学。帰国後東京にて携帯電話などモバイル通信のセールスに従事。2014年、家業である掛茶料理むとうへ入社。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務め、食を通じて社会や歴史を紐解き食の未来を考えるヒントを提示している。2021年、同社代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなど、食だけでなく観光事業にも積極的に関わっている

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