漫画ワンピースにエースというキャラクターが登場する。彼が初めて登場したシーンが、なぜだか印象に残っている。食事をしていて食べ物を口に入れたまま突然寝てしまうし、目を覚ましたと思ったら咀嚼の続きを始める。「そんなことある?」なんて思っていたのだが、これがあるんだな。まさかと思っていたけれど、我が子を見ていたらその状況が起きたのだ。そして、まさかとは思っていたのだけれど、大人になってぼく自身も同じことを体験したことがある。
子どもは眠くなると癇癪を起こしたりグズったりする。もう、とにかく眠いのだ。だけど、遊びたいしテレビも見たい。眠ければ寝ればいいと思うのだけれど、どういうわけか必死に抵抗する。ギリギリまで頑張って、限界に達すると糸が切れたように眠りだす。そんな子供の姿を見て微笑ましく思っているのだけれど、大人だって大して変わらない。
例えば、寝転がって本を読んだり動画を見たりしていると、ふっと世界が暗転するように眠りに落ちそうになることがある。そして、すんでのところで覚醒すると、読み飛ばしたページを戻って、また必死に続きを読もうとしてしまう。寝支度を終えているのだから、素直に眠れば良いものを。わざわざタオルを用意してまで授業中に居眠りした高校時代は、一体何だったのだ。そう思うと、なんだか自分が不思議な生き物のような気がして可笑しく思えてくる。
笑い話のつもりで人に話すと、驚いたことにぼくだけじゃなかったらしい。あまり気にしていないだけで、言われてみれば私もそうだ、という人に何人も出会った。これって、なんだろうね。「睡眠抵抗症候群」みたいな名前がついていてもおかしくない気がするよ。とても眠いし、寝ても構わない状況なのに、なぜか頑張って起きていようとする現象。
どうしても本の続きが気になる。これはひとつの理由として有りそうだよね。睡眠よりも楽しみを優先したい。ぼくも、もっと活動時間がながければ良いのにと思うことがある。もっと本を読む時間が欲しいし、動画だって見たい。やりたい事業だってたくさんあるし、子どもたちと遊ぶ時間が欲しい。睡眠という欲求をよりも、活動への欲求が勝っている状態なのかもしれない。
そんなことを言うのなら、起きている時間をもっと効率的に使えば良いのにね。なるべくSNSを見ないようにするとか、大して興味のない動画を見ないとか、やりようはある。読書だって、読む本を厳選するというのもひとつの方法。まぁ、これはあんまり気が進まないな。読みたいものは読みたいのだ。東京で働いている頃、どういうわけか読書量がかなり少なかった。全く読まなかった時期もあったと思う。だから今、その時間を取り戻そうとしているのかもしれない。
困ったのは、映画とかアニメとかの作品だ。日中は飲食店の仕事で体力を使って、店が閉まるとこうして文章を書いたり調べ物をしたり、事業について考えたりする。そうすると、寝る前に少しでいいから頭を使わないでぼーっとする時間が欲しくなってしまう。何も考えなくて良いという意味で、ライトに見られる動画作品はうってつけなのだ。最近はスマホで見ることが出来るので、とっても便利。お酒を片手に、ぼんやりと動画を見ながらぼんやりしてみる。ドラマやアニメは、続編が気になるのでつい次のエピソードを再生してしまう。これが良くないんだよね。
アニメ番組は、そういうふうに構成されているらしいからね。と言われる事があるが、ソレだけじゃないのが困ったところ。結構難しい話を解説している動画なんかも、眠い目をこすりながら必死に見てしまったりするのだ。ちょっとウトウトしちゃったら、巻き戻してまで見ようとする。本と比べると、楽なんだよ。一方的に手元に届けてくれるのを受け取るだけ。自分から受け取りに行くという労力が無い分だけ、ほんとに楽ちん。まぁ、読書に比べると身になる割合は低いんだけどね。
今日も読んでいただきありがとうございます。ホントにどうでもいい話だったな。ただ、なんとなくこうした人間の行動には興味があって、自分事ながらになんでこんなことしているんだろうって不思議なんだ。妻は、そういうことが全く無くて、すっと寝ちゃうんだけどね。ぼくが幼いだけなんだろうか。でもまぁ、そんな「幼さ」が人間らしくもあって、ちょっとばかり愛おしい気もする。