今日のエッセイ-たろう

人生って、長いようで短いってホントなんだね。 2025年6月30日

人生って、ホントに長くて短い。なんてことを、つくづく考えてしまった。

オンデマンドで映画「踊る大捜査線」のスピンオフ「室井慎次」シリーズを見たんだよ。所々に、過去の回想シーンがあったり、その登場人物が改めて本作に登場したりして、踊る大捜査線をリアルタイムで見ていた世代としては、いろいろと楽しかった。回想シーンでは、室井管理官も青島刑事も30代くらい。なんとも若々しい。もちろん、今でも室井さんはかっこいいけれど、年月の流れを感じるよね。

それは、現実世界の自分も同じこと。「レインボーブリッジを封鎖せよ」なんて映画を見ていた頃は、ぼくだって20代だった。全力疾走することもできたし、動きもそれなりに俊敏だった。もうそんな動き出来ないよね。無理すればどこかに故障が出る。こないだ、子どもと一緒に河原で石投げをしたんだけど、本気で腕をふると肩が抜けそうだもの。

この頃に比べれば体重だって10kgくらい増えている。もうアラフィフなんだから、当然と言えば当然か。むしろ、高校時代から体重が変わらないっていう小倉ヒラクさんがおかしいんだよ。なんてことを思ってしまう。そうは言いながらも、主な体重の増加はここ5〜6年のことだからね。なんとか抗ってみようかと思ったりもするわけだ。履けないパンツもあるし、シャツもゆとりが無いものもある。昔テレビで見ていたあの光景は、自分とは無縁のものだと思いこんでいたけれど、そんなことなかった。時々、服を買い替えようかと思うけれど、貧乏性なことも手伝って、ちょっと頑張ってみようかという気持ちもある。どうしようか。

歴史の中では、ほんの20〜30年なんだよね。あっという間。「この事象はわずか20年ほどで消滅し、代わり

に別のものが台頭した」なんて表現をするくらいだもの。だけど、1人の人間にとって20年という歳月は、体に大きな変化をもたらす。学んだことも多いし、生活環境も変わるし、社会だってどんどん変化する。ぼくという存在は、もう確実に20代のぼくとは別人と言ってもいい。そのくせに、直近20年くらいのことはなんとなく記憶にあるものだから、あまり時間が経っていなような錯覚も覚える。不思議なもんだ。

自分は自分、親は親。というのは間違いなく真実なんだけど、やっぱり継承するものがあるんだろうな。歴史的なチャレンジって、それが形になるまでにすごく時間がかかっている。フランス革命や明治維新というのも、ドラマチックに語られるのは初期の10年程度だけど、本当の意味で変化をもたらすには数十年の歳月がかかっている。意志というのは、親子に限らず引き継がれてこそ形になる場合もあるということか。

そう考えると、うちの店はぼくが2代目ということなんだけど、糀屋三郎右衛門の29代目の村井さんとか、とろろ丁子屋の14代目の柴山さんとか、心底凄いなと思う。継承するって、並大抵のことじゃない。変化させていく部分もありながら、どこかに引き継がれてきた意志をちゃんともっている。でもって、わずか数十年の活動を歴史に刻むのだ。かっこいいよね。

東京から掛川に戻って、あっという間に10年。あれこれチャレンジしてきたことも、あっという間に歴史のかすかな陰影になっていく。さて、この先どうするかな。もちろん、歩みを止めるつもりはサラサラ無いのだけど、体や環境はどんどん変わっていくから、身のこなしを変えていかなくちゃいけない。かつては体力任せに剣をふるった剣士も、体力の変化とともに体の使い方を変えていくのだとか。いい意味で、要所を抑えて効率的になっていくのかな。技も必要そうだし。

なんだかんだと、体力って大切。そりゃ、20代の頃のようにはいかないけれど、基礎的な体力がなくちゃ運動も仕事も生活も億劫になってしまうから。そういえば、コロナ禍をきっかけにジムを退会して、かわりにサプリを飲むようになった。あのサプリをやめれば、ジムの会費くらいにはなりそうだ。最近背中が張ってしまうことも多いけれど、よくよく考えたら運動不足が原因じゃないかと思う。今更という気持ちも無いではないけれど、行動を起こすのに年齢なんて関係ないからね。どうにか時間を作るとしようか。このままいくと、運動習慣を取り戻さないままあっという間に時間が過ぎ去ってしまいそうだ。やっぱり人生って短いな。

今日も読んでいただきありがとうございます。ネガティブになっているわけじゃないんだ。時々、時間の流れを俯瞰してみてみないとさ。うっかりすると、時間を溶かしちゃいそうで。ほら、ショート動画を見てると時間が溶ける感覚あるでしょう。ちゃんとボーっとする時間とか、運動を楽しむ時間とか、そういうのあったほうが良いかもって、思ったんだ。

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武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ留学。帰国後東京にて携帯電話などモバイル通信のセールスに従事。2014年、家業である掛茶料理むとうへ入社。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務め、食を通じて社会や歴史を紐解き食の未来を考えるヒントを提示している。2021年、同社代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなど、食だけでなく観光事業にも積極的に関わっている

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