会社とは概念なのか? 2023年6月22日

世の中にはいろんな組織がある。会社もそうだし、学校もそうだし、非営利団体もあれば、チームスポーツもある。みんな、組織なのだけれど、なんとなく「組織」という言葉がしっくりこないのは、その言葉に色がついてしまっているのだろうか。

よくよく考えてみれば不思議なものだ。組織とは一体何なのだろうと考えてみると、それがうまく説明できないような気になってくる。例えば、「会社とはなんですか?」と聞かれたら、どう答えるのが良いだろう。

法人というのは、面白いもので、人格が与えられている。金融機関では法人名義の口座を開くことができる。何か問題があれば、責任を取るのは法人だ。裁判になったときも、対象となるのは法人である。法的な意味で法人の責任を個人がとることはない。

まるで一人の人間のように人格を与えられているわけだけれど、困ったことに姿が見えない。建物が会社の姿ではない。象徴的な意味はあるかもしれないけれど、建物もマークもホームページも、法人というものの姿かたちを表しているわけではない。人間ならば、顔があって体があって、「ああ、あいつだ。」と認識できるのだけれど、法人にはそれがない。

僕らの社会が法人というものを取り入れてから400年ほど。概念化した存在としては、とても面白い。

一般的な意味で言われる宗教団体というものもこれに似ているだろうか。教会や寺社の所有する土地や建物や権利といったものは、その指導者が変わったとしても失われない。家制度も似ていると言えるのかもしれない。想像しか無いのだけれど、法人という概念が誕生したのは、それに類似した組織がもっと前からあって、便利だと思うから継続しているのだろう。そんなふうに思える。

法人は姿が見えない。見えないのだけれど、ぼくたちはその存在を感じている。何をもって感じているのだろうか。と考えると、二つの見方があると思うのだ。ひとつは人の集合で、もうひとつは動きである。

組織を形成しているのは、人。人が集まらないことには組織にならないのだから、当然といえば当然の話だ。人が集まって、その中で役割を負って有機的に活動している。経営者というのは、見えないはずの法人の頭部の役割を担っていて、考えたり見せたりしているのだろう。経営者というのは、法人に対して忠実である必要がある。このあたりがとても面白い。どんな組織であっても、基本的には経営者は組織に従属するのだ。良し悪しはさておき、現状の組織はそういうものなのだろう。

詳しいことはよくわかっていないのだけれど、経営理念とか方針が大切だと言われるのは、カタチのないものに意志を持たせるために必要なものだからなのだろう。集団の意思決定の方向性を、個人だけで背負うのではなく、法人という人格が背負う。その法人という人格を駆動させるための存在が経営者ということだ。というように見える。

組織とは動きである。というのは、風のようなものじゃないかと思うのだ。能を大成させた世阿弥が記した書物に「風姿花伝」がある。風の姿は花が伝える。風というものは目には見えないけれど、花が揺れるのを見たり、花の香りが届いたりすることで、その存在を感じる。そんな意味だろう。

見えないけれど、実存を感じるという意味では似ているのじゃないかと思うのだ。

もしそうだとすると、組織というのは「動き」が重要だということになるのだけれど、どうだろう。プロダクトを作り出す。価値を作り出す。売る。買う。知らせる。関わり方は様々あるが、とにもかくにもじっとしているだけでは、組織は「無い」に等しい存在になってしまう。空気が動かなければ風が発生しないように、だ。

そうなると、組織というのは動きつづけることが宿命付けられている。動き続けるということはどういうことだろうか。ということを考えなくてはならないのだろうな。結局はそこにいきつくのか。教会や寺社は、建物としては底に存在しているだけのように見えて、組織としては動いているということなのだろうか。良い部分も悪い部分も、現代のような経済活動以前の組織のあり方は、それ以前の時代からも学ぶことがありそうだ。

今日も読んでくれてありがとうございます。深い考えがあって書き始めたわけじゃないんだ。一体なんだろうな、と思ってね。動い続けるとか人と人の関わりが大事とか。根幹というか存在意義みたいなものを確認しておきたくてさ。なんとなく、でやっていると、どこかで道を間違えそうだし。

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