掛川百鬼夜行第二夜。 2023年11月1日

先日「掛川百鬼夜行第二夜」が開催された。平たく言えば、地元で行われたハロウィンのイベントなのだけれど、少々面白い作り方をしていたので紹介したい。

一般的なイベントでは、どんなことをするのか、どんなイベントにしたいのか、など割りと序盤から決まっていることが多い。参画する人たちも、それに則ってイベント企画なり運営をすることになる。企画する場合にも、概ね方向性が定まっている。

語弊はあるけれど、今回のイベントにはそうした指針がない。あると言えばあるのだけれど、イベントそのものの指針ではなく、イベントの作り方の指針なのだ。

「みんなの好きを持ち寄って形にする」とでも言えばよいのか。ぼく自身が企画に参与したわけではないので、あまり細かいことを語ることは出来ないのだが、たぶん大きくは外れていないだろうと思う。

仮装のテーマは「和」に寄せたいけど、あんまり厳しいルールにしたくないんだよね。と、誰かが言えばイメージを膨らませていく。好きなバンドがいるから、ステージに呼びたいんだ。ということになれば、言い出しっぺを中心に動き出す。かと思えば、落語が好きな人は噺家さんにアポイントを取って調整する。TRPGのシナリオコンテストをやりたいとか、もっと飲食ブースを増やしたいとか、色々な意見があったのだろう。

あれが好き。こんなのがあったら面白い。という声を集めてみたら、普通のコスプレイベントじゃなくなった。そもそも、イベントの企画運営に関わった人たちが、面白そうだからっていう理由だけで集まっている。だから、その人達にとって面白そうなものを詰め込んだ。そんなイベント。

企画がある程度まとまってくると、それを実行するために必要なことが明確になってくる。やりたいことをやり切る為にアイデアを出し合って行動する。未来を想像してバックキャストするというのは、ビジョナリー経営に通じるかもしれない。

元々、このイベントは昨年が初回だった。それも、個人の企画。発案者がぼくの友人なのだけれど、これまたおかしなイベントだった。メイン会場は重要文化財の大日本報徳社だったり、そこにアイドルを呼んでしまったり。TRPGのシナリオコンテストを開催したり、謎解きを企画したり。どこでハロウィンと繋がるのかわからない事柄が詰め込まれていた。ある意味コンセプトがバラバラにも見える。

しかし、友人を知っているぼくらの目からはこう見える。「ぜんぶあいつの趣味じゃん」

ローカルアイドルも、TRPGも、謎解きも、彼の個人的な「好き」なのだ。だから、一見奇妙な組み合わせに見えるイベントなのに、当日参加してみると一貫したイベントに見えてしまうのだ。

これを、拡大したのが今回の「掛川百鬼夜行第二夜」ということなのだと思う。今年も友人は企画の中心近くにはいたけれど、いわゆる総大将ではなかった。むしろ、昨年のイベントは継続するとは考えていなかったようなのだ。けれど、評判が良かったので続けたいという声があり、総大将を募集したところ立候補してくれる人がいたので継続することになった。

こういうの、ホントに良いよなあ。と思うんだ。どうしても「こうした方が良い」とか、「すべき」とか「最適解」を求める発想が差し込まれてしまうことが多い。それは、お客様とか第三者の目線に合わせた判断なのだろう。そして、それは一定正しい。

今回のイベントは、「面白いから」「好きだから」という論理に紐付けられない情熱の集合。つまり、目線も判断軸も自分たちの側にあるのだ。そこから始まって、イベントに仕立てていく段階になって他者の視点を織り込んでいったと思うんだ。

他者視点の判断ばかりだと、己を見失うと言う。自分視点の判断ばかりだと、お客様やマーケットを見失うと言う。どちらも正しいのだろうけれど、それってタイミングよね。ふたつ並べてどっちが良いかっていう話じゃなくて、どのタイミングでどちらの視点を優勢にするかっていうだけなんだろうと思うんだ。カメラをスイッチングするように、視点を切り替えることが要。

今日も読んでくれてありがとうございます。こんな組み合わせ。と言ってしまったら怒られるかもしれないけれど、テーマの設定の仕方次第でどうにかなるんだな。めちゃくちゃ盛り上がってたもんね。当日ちょこっとお手伝いさせてもらっただけだけど、なんだか良い気持ちになれました。

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