本を読むこととメモを取ること。インプットは小さなサイクルが良い。

最近、妙な癖がついてきて、読書をしていると手元にノートが欲しくなる。なんだか良いことを知った時、情報量が多い時、書き出したい衝動に駆られる。これは一体なんだろう。

無論、小説やエッセイを読んでいるときにはノートを取るようなことはしない。むしろ、世界観を阻害する邪魔者だ。たべものラジオの素材になりそうな書籍ほど、メモを取りたくなるのは、番組に必要な知識だからなのだろうか。そういう意識もありそう。

ノートに書き出すのは、アウトプットであり、同時にインプットでもある。という気がしている。よく、物事を覚えるにはアウトプットが大切だと言うけれど、ノートに書くという行為は必ずしもアウトプットには該当しないんじゃないかと思っている。

好んで読む書籍は、情報量がいっぱいつまった「骨太な本」。そういうのが好きなんだろうね。だからといって、膨大な情報量を簡単に咀嚼できるわけじゃないから、要点を抜き出して自分なりに解釈する時間が必要になる。その時にノートが役に立っている気がする。

面白く読み進めているのだけれど、途中で少し前のページに戻って要点を見つける作業がある。そうしなくちゃいけないといわけじゃなくて、ある程度読み進めた時に要点に気がつくっていう感じ。で、それをノートに書き出す。

それは単語であることもあるし、短い文章であることもある。ノートの中では、それらのキーワードはいろんな線で繋がっていることが多い。関係性を図式化して、「自分なりに」わかりやすく再解釈したものだ。そうでもしなければ、ぼくの脳は処理しきれないのだ。もっとハイスペックなら、こんな手間のかかることをしなくても良いのだろうけれど、仕方がない。

ぼくにとっては、「ノートに書く」ことは、「インプットを補助する作業」ということになる。

インプットして、自分なりの解釈で再生産していく。このサイクルを細かく繰り返していく。再生産しているのだから、それはアウトプットと言えなくもないけれど、これはインプットの一環だと思っている。たぶん、サイクルが小さいからだ。

アウトプットが大切だという人の中に、本を全部読み終わってから書き出すという人がいる。読書感想文もそうだけれど、それって難しそうなイメージが有る。というのも、ぼくはそれほどの量の情報を最後まで覚えていられないから。途中で印象に残ったところがあっても、高確率であとから読んだ部分にかき消されてしまう。それが、学びに繋がる内容であれば、取りこぼすのはもったいないと思ってしまうのだ。

格闘ゲームで言うなら、もっと弱パンチを多用する感覚。強パンチだけで戦おうとすると、ちょっと大変。そんな感覚。もっとサイクルを小さくしたら良いんじゃないかな。

本というのは、自分で情報を整理して再解釈するように出来ている。という気がしている。別に意地悪をしているわけじゃないし、わかりやすくしようとしてくれている。にも関わらず、手間とスキルと知識を求めてくるのは仕方がないのだ。

なにしろ、ぼくは著者じゃないし、著者はぼくのためだけに書いているわけじゃない。

ぼくにとってもっとも理解しやすい書籍はなにか。それは、ぼく自身が書いた書籍。ぼくのための教科書はぼく自身が作る。

その材料が読書メモだし、ぼく専用の教科書が原稿。これをもとに、簡略して喋っているのがたべものラジオ。そんな感じ。

今日も読んでくれてありがとうございます。本に直接書き込むと良いって言うでしょう。あれ、ちょっと苦手なんだよね。効果があるのはわかるんだけど、本を汚したくないという気持ちのほうが強くてさ。それに、原稿を書くときには複数の書籍にまたがっていることがあるから、それらの情報をひとつのノートにまとめていおいたほうが読み返すのに便利なんだよね。

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