今日のエッセイ-たろう

言葉の定義って大事よね。2022年10月11日

言葉の定義があいまいなまま議論が進んでしまうことは、思っているよりもたくさんある。これは、後々になって面倒なんだよ。話し合いっていうのは、お互いが持っている情報がある程度均一であるほうが深まる。

もちろん、情報量が全く一緒ということではないだろうけれど。情報を持っているからわかることがあって、知らない人が検討できていないことがあるとする。そこで、知っている人が知らない人に対してマウントポジションを取るということがしばしば発生する。

まぁ、あまりに勉強不足の場合は仕方ないこともあるのかな。だけど、そんなことをしていると議論が深まらないんだよね。

ぼくが議論と言っているのは、あまりたいした話じゃない。思考を深めるとか、解釈をずらしていくとか、新しい気づきを得るとか、まぁそんな類のこと。なるほど、そんな見方があるのか。その解釈だと、他の事象もこんなことが言えるかもしれないね。という会話が「おもしろい」だけのことなんだ。

ここを目的にしたときには、互いの情報は共有したほうが良いよね。同じ情報なのに、解釈が違っているというのがスゴイことなんだと思うのよ。だから、お酒の場でも会議の場でも、なるべく情報については「ただの情報」として紹介するようにしている。で、並べられた情報をみんなでいろんな解釈をしてみて、その「違い」や「共感」を楽しんでいる。

解釈が違うのはなぜだろうか。考えだしたらキリがないのだろうけれど、ひとつには人生経験が大きな影響をしているんだろうな。その人なりの思考の元となる経験だったり、学習だったりがある。当然だけれど、人生経験はみんな違うから、思考の順番も導き出された解釈も違ってくるんだよね。それが面白い。

そう考えると、ぼくがおもしろがっているのは、ぼくじゃない誰かの経験や学習に対して感じていることなのかもしれないね。

親しい友達だと、わりと共感することが多いかな。まぁ、日本人だからっていうのもあるかもしれないし、近い世代だからってこともあるかもしれないし、同じ地域に住んでいるとか、経営者であるとか、似ている部分があると共感するポイントが多くなるような気もする。

そんななかで、違う解釈が飛び出してくると途端におもしろさが加速する。しかも、経験や学習という論拠を持っているから、一定の説得力があるんだよ。なるほど、そういう道順で考えると確かにそのように見えるな。という、ぼくにはなかった視点との出会い。これが、おもしろい。で、時々ぼくの既成概念を崩壊させてくれることもある。これが、ぼくにとってはたまらなくおもしろんだ。なんていうのかな。目からウロコ。そういうのが、好き。たぶん、ただの好みだよね。

そんなんだから、違うということが楽しい。違うほうが良いじゃん。一緒であることも嬉しいけれど、違うことも楽しい。けっきょくどっちでも良いのか、と言われそうだけれど、まぁそうだね。そのほうが楽しいし、気楽で機嫌良く過ごせるからね。

これが、ぼくにとっての議論だったりディスカッションだったりの定義だ。「ブレスト」「ブラッシュアップ」「決断」という、それぞれの会議は「共感と差異を楽しむ」ことを土台に行われるもの。という、個人的な定義。まぁ、こうだったら良いなと思っていることだね。だから、何かを話し合う時には、議論の定義を共有することからはじめなくちゃいけない。ぼくのやり方に賛同してくれればそれでいいし、そうじゃなかったら、それはそれでやり方を共有しておけば良い。

同じように、議論の中で登場する言葉については、その都度定義を確認するのが良いと思うんだ。はじめのうちはメチャクチャ面倒くさい。というか、めんどくさがられる。だけどさ。ズレたまま議論が進んでいって、途中で修正するほうがロスが大きいと思うんだよ。下手をすると、定義がズレたまま導き出された決定は、行動の違いになって現れてしまう。だから、地味だけど、面倒くさいけど、言葉の定義は決めておいたほうが良いよね。少なくとも、そのグループ内ではさ。

今日も読んでくれてありがとうございます。すっごく当たり前のことを書いてしまった。なのだけれど、このあたり前のことが、おろそかにされているケースはよくあるんだよね。定義を共有しないからコミュニケーションのすれ違いになって、その結果行動がズレる。だから、自分へ言い聞かせるつもりで当たり前のことを書いてみたのだ。

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武藤 太郎

1988年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ、カルフォルニア州の大学留学。帰国後東京に移動し新宿でビックカメラや携帯販売のセールスを務める。お立ち台のトーク技術や接客技術の高さを認められ、秋葉原のヨドバシカメラのチーフにヘッドハンティングされる。結婚後、宮城県に移住し訪問販売業に従事したあと東京へ戻り、旧e-mobile(イーモバイル)(現在のソフトバンク Yモバイル)に移動。コールセンターの立ち上げの任を受け1年半足らずで5人の部署から200人を抱える部署まで成長。2014年、自分のやりたいことを実現させるため、実家、掛茶料理むとうへUターン。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務める。2021年、代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなどで活動している。

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