今日のエッセイ-たろう

「格言っぽいもの」を、逆転させてみた。 2024年3月29日

少し前のことだけれど、ボーっとSNSを眺めて時間を浪費していたところ、格言めいた投稿を見かけた。よくわからないけれど、時々格言っぽい投稿を見かける。これって、なにかの流行なのかしら。あんまり発信をしないし、たまに覗く程度の弱者にはよくわからない。そういえば、発信をあまりしないのは、ここで好きなことを書いているからなのかな。などと、いま思った。

さて、当該の投稿内容だ。

バカは簡単なことを難しく言う

バカはすぐに終わる話を終わらせない

バカは聞かれると知識をひけらかす

どうやら会議中に投稿したらしいのだ。何も決まらないし、決められないという無駄な会議で時間を浪費している感覚があるのだろう。まぁ、わからなくもないけどね。ただ、「バカ」という言葉を連発しているのは好きじゃないな。

あえて。あえて逆の立場を論じてみようか。状況など知らないし、よく知らない人の投稿だから、過去の文脈も人間関係も無視したうえで、話を逆転させてみる。

難しくもなんともないのだけれど、聞き手が理解できない。ということはないだろうか。

例えばこういうケース。複雑な事象は複雑なママ捉えないと、どこかで破綻してしまうこともある。初手の理解を助けるためにメタファーを使うなどしてシンプルに概略を捉えることは良いのだけど、少し奥に突っ込んでいくとそうはいかなくなるよね。

他には、シンプルに言葉がわからない。業界ないし地域などで共通理解のある言語が存在する。それは慣習として用いられる概念かもしれないし、過去の系譜を知らないとわからないようなものかもしれない。それに独自の語を与えられていたとしたらどうだろう。他の人たちはわかっているのに、自分だけが知らないということもある。

こういうことは、よくあるんじゃないかと思うんだ。

で、「わからない」に対して説明をする。説明をすると話が長くなる。ぼくが専門書を読むときと同じだ。読み進めたいのに、すぐに知らない単語や概念に突き当たる。しょうがないから、逐一調べるんだけどね。もう時間がかかってしょうがない。そんな感じで、一つの文章の中に知識の入れ子構造が起きるから、ちっとも話が終わらないってこともある。

そうこうしているうちに、説明される知識の量が多くなってしまって、まるで知識をひけらかしているかのように感じられてしまう。

そういえば、アマゾンの書評で似たような内容を見たことがある。表現がわかりにくいし、説明が多くて知識をひけらかしているようだ。とね。言いたいことはわかるよ。だけど、それ岩波だしね。「あ、ごめんなさい。ぼくはまだそのレベルにいませんでした。出直してきます。」っていうのが、岩波の学術系の書籍のイメージ。

無理やり逆側から見てみたんだけどさ。こんなのは言葉尻を捕らえて、言葉遊びをしているに過ぎないんだよね。既に書いたけれど、シチュエーションによってどちら側に分があるかは変わるから。短い言葉の中で、相手をバカって断定しちゃうのはリスキーだよなあ、とは思うけどね。

今日も読んでくれてありがとうございます。よっぽどつまらない会議だったんだろうな。SNSに投稿している暇があったら、会議をどうにか有意義にしようとはしなかったんだろうか。本気でやろうとすると、めんどくさいけどね。ぼくなんかは、よく紛糾させちゃうからなぁ。あと、どうにも出来ない環境ってのもあるけれど、その場合は黙ってやり過ごすかな。

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武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ留学。帰国後東京にて携帯電話などモバイル通信のセールスに従事。2014年、家業である掛茶料理むとうへ入社。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務め、食を通じて社会や歴史を紐解き食の未来を考えるヒントを提示している。2021年、同社代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなど、食だけでなく観光事業にも積極的に関わっている

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