「あらなんともなきや きのふは過ぎて ふくと汁」松尾芭蕉がふぐを食べたことを詠んだ句である。「昨日フグを食べたけれど、何事もなくてよかったな」と安堵の気持ちを表したものだ。 ふぐを食べた感想が、「おいしかった」でもなければ「噂ほどでもなかったな」でもないところが、芭蕉らしい。毒のことばかり気にしているのだ。およそ百年後、小林一茶は「ふぐ食わぬ 奴にはみせな 富士の山」と詠んでいる。「ふぐが一番うまい。それが分からない奴は、富士山という日本一の存在を知らないようなものだ。」というような意味だ。芭蕉を皮肉った ...