今日のエッセイ-たろう

ちょっと軽い気持ちのほうが始めやすい。 2024年12月9日

いつの間にかやり始めたことと、まだやっていないことがある。いつの間にかというのもおかしな話だけれど、たべものラジオだってそうだ。割と気軽な感じで始めようと思ったし、どうせやるならこの程度はやろうと決めたくらいのものだった。気がつけば3年を超えていて、ありがたいことに沢山の方々に聞いていただいている。

こういうことをやりたいんだ!という固い決意でスタートしたモノってのは、あまり多くなかもしれない。やり始めても続いていないとか、まぁボチボチといった感じになっている気がする。一生懸命考えすぎて、結局手を付けていないことだってある。

なんというか、ちょっと軽い気持ちで「やってみたいな」と思って、「じゃあいっちょやってみるか」くらいの感覚のほうがスタートを切れるのかもしれない。

だいたい、たべものラジオのシリーズだって、綿密に計画を立てているわけじゃない。「このシリーズをやるには、先にこっちをやっておかないと」そんなふうに順番をしっかり考えて構成するのが良いのだろうけれど、それよりも「これを取り上げてみたいなぁ」という気持ちが先にある。で、あとから振り返ってみるとヌケモレだらけで、考察も浅いなんてことが発生するし、喋りの方だってクドクドしていたり、説明が分かりづらかったりと課題だらけだ。

そういうときは、気持ちの持ちようである。例えばデッサンをするときに、サーッと一筆書きできれいな線が引ければ良いのだけれど、そういうことは出来ないらしい。だから、薄い線を何度も重ねていって、ちょっとずつ輪郭を確かめるように描いていく。そういうものだ。と思い込むことにしている。

茶や米をテーマとして取り上げたのはかなり初期の頃だったからというのもあって、本編で語ったよりもずっと解像度高く理解が進んでしまった。3年の間に茶や米を本格的に調べ直したということもないのに、だ。

今年も残り少なくなってきたので、そろそろ新年の抱負なるものを考え始めた人もいるかも知れない。ぼくはといえば、いつの間にか考えるのをやめてしまった。以前なら、来年こそはこうするぞと思って、年が明けたときには固い決意をしたものだ。けれど、その決意がちゃんと続いたことはない。どちらかというと、ちょっとやってみたいな。じゃあやってみようかな。と思いついたことのほうが実行に移されている。それは、日常のささいなきっかけでスタートしたことのほうが多い。

2025年2月23日に「掛川ガストロノミーシンポジウム」を開催する。で、翌日にはオプションとしてツアーも行う。これは決定。

二宮金次郎が提唱した「芋こじ」みたいなもので、まずは語り合うことから始めようというコンセプト。互いをきちんと知る。理解する。学び合う。それを組織化したのが報徳社という組織で、その本社は掛川にある。

芋こじと違うのは、業界をまたぐというところ。農民だけではなく、庄屋や人足、下作人、廻船問屋、藩役人、商家なども混ざると良いと思っている。けっこうカオスになると思うのだけれど、それがいい。

理屈はさておき、ぼくは「SKS Japan」でそれを目の当たりにしてしまったのだ。見聞きしているだけでもワクワクする。きっとローカルにも、そうしたワクワクの種はたくさんあるだろうし、つながれば新しいワクワクが生まれるはずだ。と「感じた」のだ。

そんなことを掛川でやってみたい。やってみたいと思っているだけじゃ、いつまでも実現しそうにないので、やってみたいんだって言ってみた。そういうイベントに明るい人に相談してみた。そしたら、やってみたいんだったら、試しにやってみようかってことになった。試しにって思えるくらいのトーンだった。実際は準備にめちゃくちゃ手間がかかるし、本業やたべものラジオもあるから、なかなかハードなのだ。ただ、もう始めてしまったのだからしょうがないってなことで、いまコツコツと準備をしている次第だ。

今日も読んでいただきありがとうございます。協賛依頼の資料で恐縮だが、公式サイトが出来るまではイベント情報がこちらになるので、よかったらリンクを見てください。

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武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ留学。帰国後東京にて携帯電話などモバイル通信のセールスに従事。2014年、家業である掛茶料理むとうへ入社。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務め、食を通じて社会や歴史を紐解き食の未来を考えるヒントを提示している。2021年、同社代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなど、食だけでなく観光事業にも積極的に関わっている

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