お盆と法話と日常会話 2022年8月26日

世間とズレたタイミングで法事を行う。というのは、ぼくらの業界ではよくあることだ。新盆にしても旧盆にしても、お客様がお盆の法要を行う時は仕事だ。お店を休んでいる場合じゃないもんね。そんなわけで、祖父母やご先祖様には川向うで少し待っていてもらうことになる。祖父母ともに我が家の事情はよく知っているだろうからね。

朝から、お寺に出かけていく。だいたいお寺というのは山上にあることが多くて、我が家の菩提寺も山の上。山と言っても小高い丘のようなところだ。そんな環境だし、本堂はエアコンがあるわけでもないのだから、現代人にとっては暑くてしょうがない。それでも扇風機を回していれば、平地に比べれば幾分かは過ごしやすい。

山の中ではいろんな虫がやってくる。蚊取り線香の匂いがするのは、和尚さんが予め焚いておいてくれたからだろう。蚊に刺されやすい。そういう体質というのがあるのかどうか知らないけれど、親族の中ではぼくがそれにあたるようだ。ぼくだけが真っ先に蚊に刺される。このときもそうだったな。

やられたな~。まぁいつものことだけど。いつものことだと言うわりには、虫刺よけスプレーも使っていなかったし、虫刺されの薬も持って行かなかったのがマヌケなところ。ぼくが腕を掻いていると、和尚さんがそれに気がついて言った。

これはこれは申し訳ない。寺の蚊はしつけが行き届いているものだから、お客様が来たらご挨拶に寄っていってしまうんです。ささ、虫刺されの薬を使ってください。

こういう言葉がサラッと出てくるところが気が利いているよね。毎度のことだから慣れっこなのかもしれないけど、それにしたってさ。蒸し暑く蚊がいるようなところ。これから、お香の焚き込められたお堂に入って1時間少々の読経。お寺という空間が好きな人だって、それなりに体力を消耗しそうな行事でもある。人によっては少しばかりナーバスになっても仕方がない。

そんなちょっとした待ち時間に、空気を和ませてくれるというのは素敵な心遣いだ。技といえば技かもしれない。だけど、やっぱり心を和ませたいという心遣いがあってこそなんだろうなあ。

プロの芸人さんで無い限り、会話のなかの笑いは他愛のないことで良い。誰かをディスったり、いじったりしなくていい。ほんのちょっとだけ笑えれば、それで潤滑油になる。会話全体がにこやかになる。ゲラゲラワハハと笑い転げるようなことは、それはそれで面白いけれど、日常ではたくさん無くても良いのかもしれないね。

そういえば、スピーチやプレゼンでもそうだ。真面目な話をしているときだからこそ、ほんのちょっとだけボケるという程度で十分。ダジャレやオヤジギャクが、実は最適解だったりするんだよね。

営業でプレゼンをしていると、実はこういうちょっとした笑いが必要なタイミングというのがある。いつもじゃないよ。ちょっと感情が動いた直後というのが、もっとも話が伝わるし残りやすい。印象が強くなるからね。こういうテクニカルな意味でも笑いのエッセンスを入れることがある。

以前、こういうプレゼンを見た後輩が一生懸命に笑いについて考えていたことがあってね。どうにもうまくいかないらしい。で、相談を受けることになったんだけどさ。聞いてみたらホンキで笑いを作り出そうとしているんだ。バッサリとやめるように言ったよね。そんなの要らないのよ。求められていない。大笑いしてもらいたかったら、ルミネのチケットをプレゼントした方がいい。商談という固くなってしまいそうな場を、ちょっと和らげて、本質的な思考を進めるためのエッセンス。会話の中の笑いってそんなもんだ。別にツッコミなんか要らない。むしろ無い方が良いくらいだ。

営業の話は世俗的でテクニカルなことだけど、こういうのを品良く気遣いの範疇でサラリと言えると素敵だよね。

今日も読んでくれてありがとうございます。ついでに、お盆の墓参りについて教えてもらってきたよ。お盆期間中は祖霊は自宅にいる。お墓参りってするものですか?

初日にはお墓に行って迎え火を焚く。その火を持って帰って仏壇のロウソクに灯す。お盆の中日には、お墓に行って留守中のお墓を洗う。最終日には送り火とともにお墓へ送っていく。こう解釈するとお墓参りをすることも不自然ではないよ。という話だった。またひとつわかったが増えたな。

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