妄想してみよう。もしもたべものラジオが書籍を作るとしたら? 2023年10月5日

もし。もしもだよ。たべものラジオで本を書くとしたら、どんなのが良いと思う?今のところ、書籍を出版するという予定はないのだけれど、そういう声もあるといえばあるものだから、ちょっと気になっているんだ。

というのも、たべものラジオで語る内容のほとんどは、同じ書籍や資料を読めば誰でも知ることが出来る内容なのだ。別に、ぼくが一生懸命に書かなくても、既に本になっている。ひとつのテーマについて一冊になっていなくても、2冊から3冊も読めばわかるってこともある。それに、ぼくじゃない人が調べたら、もっと深く違った角度から解釈を深めることができるんじゃないかと思うんだ。

じゃあ、なぜポッドキャストをやっているかというと、本を読むのは時間が掛かるし、理解を深めるための調査はとても大変だからだ。その手間をぼくが肩代わりして、音声メディアに変換すれば楽チンだ。ぼくがやらなくても、ぼくが知りたいことを配信してくれるポッドキャストが存在していたら、ぼくらがやる必要はない。探しても見つけられなかったものだから、じゃあやろうかなってことだ。田中泰延さんの書籍「読みたいことを書けば良い」に倣うなら、「聞きたいことを喋れば良い」といったところだろうか。

もし、たべものラジオが書籍を出版するとしたら、既存の書籍に無いものが良いってことになるよね。だいたい、ぼくらは二次創作なのだ。であるのならば、僕らなりの解釈や、僕らなりの視点を提示するってこと。一般的にはこう解釈されているけれど、こんなふうにも見えるよね。あとは、注目するポイントが変わっているとか。そんなところに注目する?ってことあると思うんだ。磯田道史さんの書籍「日本史を暴く」なんて、そういう視点のてんこ盛り。

なんだって?そりゃおもしろい。みたいなコミュニケーションが生まれるような本であれば良いと思うんだけど、どうだろうね。

昨日のエッセイでも書いたけれど、「もしかしてハレとケを社会のサイクルって、幸福度を維持していたんじゃないか」っていうのは、完全にぼくが勝手に想像したこと。だけど、そんなふうに見るって面白いと思っているんだ。豆腐シリーズでも、劉安豆腐起源の伝説がどうやって生まれたのかっていうのも面白かった。気候だとか、出版文化だとか、音楽だとか、宗教哲学だとか。まぁ、一見直接関係なさそうに見える事象が、実は食文化に影響を及ぼしていたんじゃないかって、勝手に線で繋いで見る。そうすると、なんだか星座みたいに意味を持って見えてくることがある。そういうのが、ぼくはオモシロイと思っている。

もし、書くなら、そういうことを表現できる書籍だと楽しいかな。まぁ、ただの妄想だけれどね。

そんな時間取れるんだろうか。自費出版するほどの余裕はないし、文字をかくというだけだったら、毎日こうしてエッセイを書いていて、それ以外にもラジオの原稿を書いている。これ以上、どうやって調査と執筆の時間を捻出すればよいのか見当がつかない。これ以上寝る時間を削ってしまうと、そろそろ身体に影響が出そうな気がする。でも、もし声がかかったらなんとかして頑張っちゃうんだろうな。

出版業界に関する知見はまったくないので、どんなふうに話が進むのかはわからない。それに、売れる気もしないし。自費出版ならまだしも、商業出版ともなると「売れる内容」じゃないといけないってことになると思うんだけどね。どんな内容が「売れる」のかもわからない。

たべものラジオだって、こんなに沢山の方々に聞いていただけるなんて思っていなかった。自由研究の結果を喋る。ただそれだけ。ぼくの癖みたいなもんだ。それを面白がってくれる人がいるというのだから、一体なにがどうなっているのかわからない。つまり、何を話せば面白がってくれるのか、人気が高まるのかはわからないってこと。しょうがないから、僕自身と拓郎が面白いと思うこと、っていう指標でやってるだけなんだ。書籍だって、そうするより仕方がない。みんな、じゃなくて特定の誰かと僕自身が楽しい。そんな内容になると思う。だけど、それって売れるのかと言うと、知らんがなってなるわけ。

今日も読んでくれてありがとうございます。コンテンツを作るって、なかなか難しいよね。会席料理だって、そうだ。特に初めてのお客様がどんな好みかなんてわからないじゃない。妄想するしか無い。自分が食べるなら、とか。自分がこういう状況だったら。なんて、勝手に妄想するわけ。みんな、どうやってるのかなあ。

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