今日のエッセイ-たろう

算数の文章問題はマンガじゃだめなの? 2022年7月2日

文章問題が苦手という子供が多いらしいんだ。よくわからないのだけれど、算数のテストは特にそうみたい。姪っ子もその一人で、問題に取り掛かる前の時点で諦めモードなんだって。まぁ、わからくもないけど・・・と言ってあげたいところだけど、ぼくにはわからないんだ。

こんなことを言っていると、言語理解力が高い人のように聞こえるかもしれない。そりゃ高いよ。比較する相手は小学生だもん。中年のおっさんが小学生よりも言語理解力が低かったらヤバい。

こんなやり取りをしていると、興味深いことに気がついた。算数の文章問題を、そのまま解こうとしているみたいだ。余計な情報を排除することもなく、「最寄りの駅」とか「2つ先の駅」という情報を残したまま考え始めちゃうんだよね。必要なことだけ切り出して式にしちゃえば簡単なのに。実際に式を解かせてみたら、簡単に答えられるんだ。

文章から、必要な情報だけを取り出す。これが苦手なんだろうね。

あのさ。算数の文章問題って、文章じゃなくちゃいけないの?与えられたシチュエーションの中から、答えを導き出すために必要な情報を読み取ることがメインだよね。計算する作業はオマケみたいなものだ。だったら、文章じゃなくて漫画や動画でも良さそうだし。耳で聞いてもいいじゃん。

ってなことを言うと、「文章理解力が低下するじゃないか」って話になるんだけど。そもそも、文章理解力をはかったり、学ぶのは国語という教科だから良いんじゃないかな。実生活で同じようなシチュエーションがあったとして、計算が必要だとする。その時、誰も状況を言語化などしていないのだ。もっと言ってしまうと、世の中のほとんどの人は「状況の言語化」を苦手だと感じている。状況の言語化に苦労しているのに、言語化された状況から情報を読み取ることに特化し続けていて大丈夫なのだろうか。

こんなことを言うのも、状況把握にはいろんなタイプがあると思っているからなんだ。動画で受け取る人もいるし、静止画が良いという人もいる。図形がわかりやすいという人もいれば、音声のほうが理解が深いという人もいる。もちろん、文書が良いという人もね。

単純に、インプットする方法が違うだけのこと。得手不得手があって、得意なメディアから受け取ったほうがアンテナに引っかかる情報の量が多かったり解像度が高かったりする。

音楽が好きな人は、歌声の良さや音程の違いに敏感に気がつくでしょ。そういう特性の人。でも、全然わからない人もいる。そういう人であっても、写真から受け取る情報が異常に多いこともある。五感というアンテナの感度には、個人差があるんだと思うんだ。それと同じように、理解する手順にも個人差があると理解している。

そういう意味で、試しに算数の文章問題を漫画や動画で出題してみてほしいなと思うんだ。いや、実験でね。自分でやれば良いんだけど、漫画を書くことができるわけでもないし、そんなに労力をかけて知りたいと言うほどでもない。そもそも、ぼくには適切な実験をデザインできる気がしない。できれば、誰かが実験したことを教えてもらいたいところだ。

知人の中には、ぼくが文字を理解するのが得意なタイプだと思っている人が一定数いる。そりゃまあ、多少は読書をするし、こうして毎日のように文章を書いているわけだからね。それなりに訓練にはなっているだろうよ。だけど、ぼくの理解特性は割りと動画とか図形に寄っているのね。一緒に仕事をしたことがある人はわかると思うんだけど、すぐにピクトブラムみたいにしたがるんだ。その方が理解しやすいから。むしろ、語り口調で長々と書かれたワードのプレゼン資料は読む気にすらなれない。だから、行政文書って苦手なんだよね。

歴史の勉強をしているときだって、たいてい映像で理解しているかも。勝手に脳内で再現VTRが流れ始める感じ。そんなんだから、速読が下手なんだよ。速読すると、映像がいい感じに構成できないんだな。脳内で映像を流すとね。勝手に、必要な情報がピックアップされるんだ。むしろ、そこを拾わないとドラマにならないんだもん。で、そのポイントをつなぎ合わせる。そんな感じ。

ここから、更に抽象化していく。どんどんメタ視点に切り替えていく。そうすると、算数の文章問題みたいに、式が作れそうになるんだよね。あ、あくまでもイメージの世界の話ね。実際に加減乗除で計算なんかしないよ。というか出来ないから。そんな天才的でヘンタイなこと。

あ、この抽象化パターンは前にどこかで見た気がするな。そういう既視感に出会うことがある。本を読んでいる最中に左上を見ているときは、だいたいそれを探しているんだ。あ、考えるときに左の方を見る人って、右脳の感覚理解が働いているらしいよ。まあいいや。他の抽象化したものと照らし合わせるとパターンがありそうな気がしてきてさ。組み合わせて、疑問を解消してみようとする。そこで、得た解をもう一度元のシチュエーションに戻して、どうなるか考えてみるという。ああ、言語化すると非常にめんどくさいことをやっているような気がしてきた。こういうの、全部感覚だからね。

よくこんなんで、ブログを書いたりRadioの台本書いたりしてるよなあ。だけど、これがぼくにはうまくいく方法なんだ。もっと効率の良い方法があるのかもしれないけどね。今のところはこれかな。

今日も読んでくれてありがとうございます。中学生の頃に数学の文章問題で大ゴケしたことがある。必要な情報の抽出も、式も完璧。計算だって間違っていない。だけど、元のシチュエーションに戻すときに、実生活に適応した条件を当てはめるのを忘れていたんだよね。電車の料金に小数点があったらダメじゃんね。

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武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ、カルフォルニア州の大学留学。帰国後東京に移動し新宿でビックカメラや携帯販売のセールスを務める。お立ち台のトーク技術や接客技術の高さを認められ、秋葉原のヨドバシカメラのチーフにヘッドハンティングされる。結婚後、宮城県に移住し訪問販売業に従事したあと東京へ戻り、旧e-mobile(イーモバイル)(現在のソフトバンク Yモバイル)に移動。コールセンターの立ち上げの任を受け1年半足らずで5人の部署から200人を抱える部署まで成長。2014年、自分のやりたいことを実現させるため、実家、掛茶料理むとうへUターン。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務める。2021年、代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなどで活動している。

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