勉強する人という属性 2022年9月8日

勉強ができる人。この言葉が意味するところは、意外と広い。一般的には、賢い人やテストの点数が良い人を指している気がするよね。主に学生かな。ちょっと言葉を付け足すと、勉強をするという行動ができる人という意味もあるんじゃないかと思うんだ。

たべものラジオを始めてから、ぼくの勉強量は人生最大になっている。かなり偏っているけどね。学生時代にこの熱量で勉強してたら、もう少し成績が良かったのかな。少なくとも、教科の一つくらいはもっと得意になったかもしれない。

よくわからないけど、もしかしたら今のぼくは比較的「勉強ができる人」になったのかもしれない。勉強という行為が楽しいし、あまり苦にならない。体や脳は疲れるんだけど、しんどいなぁとか嫌だなぁとか思うこともないんだ。

「知る」「学ぶ」って、本来楽しいことなんだろうね。楽しいからと言って、そのための努力をするかどうかは人による。ゴルフが楽しいからって、一生懸命に練習する人もいれば、時々プレイするだけで満足な人もいる。野球やサッカーだって同じだし、観戦するのが楽しいっていう人もいる。

そう考えると、今はプレイヤーとして練習するのが楽しいという感覚が、たべものについてあれこれ調べることなんだろうね。

勉強って、量だよね。語弊があるけど。

能力とか才能とか、生まれ持った知能みたいなこともあるのかもしれないけど。ぼくみたいな凡人にとっては、とにかく量をこなすことだと思っている。ただ、仕事をしながら勉強量を増やすには、少し工夫をしないといけない。だって、一日中勉強し続けている訳にはいかないから。会社の経営もしなくちゃいけないし、料理もしなくちゃいけない。

効率を上げるためにはどうしたら良いのかなあ。最近、情報量が膨大になってきて、番組の収録に間に合わなくなってきた。もっとしっかり学んだ状態で発信するのが理想。しょうがないから、シリーズを重ねるごとにちょっとずつ深くなっていくような作りにしている。というかなってしまう。練習して仕上げたものを世に出すのではなくて、その時点の完成品を取り敢えず発信しておいて、少しずつバージョンアップしていく感じになってる。

番組としてこれで良いのだろうか。まあ、そんな疑問はつきまとうのだけど、付き合ってもらうより仕方がないんだ。ぼくらが学んでいく過程をそのまま出す。これしかやりようがない。だから、間違って読んでしまうこともあるだろうし、解釈が浅いってこともあるだろうし、前言撤回なんてこともあるだろう。

「勉強」という行為についての素人が、勉強という行為をし始めました。でね。最近思うのは、自分に合った勉強の仕方があるんだろうなってこと。今更なんだけど。

何度も何度も同じテーマを浅く掘っていく。どうやら、そういうのが体にあっているみたいなんだよ。よくわからないけれど、江戸時代の歴史や文化を何度も勉強する。いろんな視点から調べていく。勉強の進み方としては、実にゆっくりだ。何回目かになって、なんとなく見えてくることがあるし、もっと繰り返していくと解釈が変わってくることもあるし。

なんだろうな。デッサンをする時に、鉛筆で薄い線をシャッシャッと描いていく。何本も線を重ねていくうちに、なんとなく輪郭のようなものが定まってくる。絵の具をちょっとずつ重ね塗りしていく。そんな感じなのかな。重ねていくうちに、なんとなく立体感が出てくる。

ま、油絵なんて描いたことがないから、想像でものを言っているのだけど。

社会にはいろんなタイプの人がいる。それぞれが違った特性をもっているからこそ、集団として機能している。ここまでは、理屈抜きに体感している。じゃあ、ぼくらみたいな勉強という属性で行動するタイプは、集団の中でどの様につながっていくのだろうか。どうせやるなら、誰かの役に立ちたいからさ。たべものラジオを聞いて楽しいって思ってもらえたらそれで嬉しいし、何かの役に立つならそれも嬉しい。

リサーチャーっぽいのかな。マーケットを横軸に現在の広さ、縦軸に時間を設定するとして。一般的にマーケットリサーチは横方向が中心で、少し縦方向へ展開するイメージね。縦軸を主体にして、少し横へ展開しているのがたべものラジオか。

リサーチャーとして価値があるのかどうか、まったくわからないけど。イメージだけはそんな感じかな。

今日も読んでくれてありがとうございます。学んで伝える人って役割が、どの程度社会で必要とされるのかはわからないんだけどね。単純におもしろいから勉強してるだけだし。まぁ、そのうちどこかで社会実装されるタイミングが来るかもしれないし、そうでも無いかもしれない。

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