今日のエッセイ-たろう

AIに仕事を奪われたら困るのだろうか。 2023年9月27日

AI技術の進化によって、私達の仕事がなくなる。と言われるようになって、結構時間がたったよね。いろんなメディアで言われてきたけれど、それは「職を失う」という意味で、マイナスのイメージ。確かに、「飲食店なんかいらないよ」と急に言われたらちょっと困ってしまうかも知れない。たべものラジオだって、ぼくが調べたり考えたりして喋らなくても良いということになるかもしれないが、それはちょっと寂しいな。

まぁ、飲食店の中でも効率性よりも情緒性をメインにした形態は一定数残るだろうとは思っている。手編みのセーターのような、人のぬくもりとか物語を含めて愛着を持てるようなビジネスは、当面の間テクノロジーに代替されることはないだろう。少なくとも、ぼくが生きている間はね。

職業がなくならない。ということに安心したいわけじゃない。むしろ反対なんだよね。テクノロジーが進化すると仕事がなくなることを嘆く声があるけれど、そもそもテクノロジーというのは「人間の仕事を減らす」という大きな目的があって進化してきたはずだよね。

お風呂を沸かすのだって、昔は薪割りが必要だった。食事を作るのにも、せっせと火を起こすところから始めなくちゃいけなかったんだ。ガスや灯油が使われるようになって、それも簡単に使うことが出来るようになって、社会の仕事がいくつか無くなったわけだ。もう、薪を取りに行ったり、薪割りをしなくても良いのだから、その仕事はほとんど消滅してしまった。

工場はどんどん機械化されていき、ほとんどの工程を機械が行ってくれるようになった。楽チンだ。おかげで生産性も高くなってよかったね。という話じゃないのだろうか。人間は機械の管理やメンテナンスをするか、まだ機械化出来ない作業を行っている。

興味深いのは、機械化できない作業というのが、割と単純作業だったりする。出来上がった製品のバグを見つけたり、品質をチェックするのは人間ということも多いらしい。もしかしたら、この先の人間の仕事はそういった単純作業かも知れないよね。テクノロジーでは実現できなくて、人間にしか出来ないこと。それならまだいいけれど、機械を導入するほうがコストが高いから人間を安く雇ったほうが良いという仕事ってこともある。交通量調査は、暫くの間は人間がやることになりそうだという話も聞いたことがある。

さて、人間の仕事がなくなると、どうして困るのだろう。古代ギリシアでは、ほとんどの面倒な作業は奴隷に任せて、市民は楽しく生活するという世界。それが、奴隷を使うこと無くテクノロジーで実現できるのであれば良いことではないのか。という前提に立って妄想を進めてみよう。

仕事がなくなって困るのは、無職になること。つまりロクデナシだ。碌でなしは収入がない。確かにそうなるとどうやって生活していこうかと考えてしまう。今までのスキルが必要なくなってしまった場合に、全く違う仕事に簡単に変えられないという人もいるだろう。料亭で親方だった人が、来月から営業の仕事をするとか想像しにくいもんなあ。プライドもあるだろうし。

じゃあ、ベーシックインカムを導入するか。仮に世の中の殆どの仕事は機械がになってくれるようになったとしたら、何もしなくても人類は生きていけるという状態になるよね。貨幣が使われるかどうかはさておき、機械が作り出した富を人類がシェアするという社会なら良いのだろうか。

それでも、やっぱり仕事はするのだろう。何かしらの使命を感じて社会貢献しようとする人もいれば、ベーシックインカム以上の富を獲得したいという人もいるかもしれない。そうなると、人はなんのために働くのか、なんのためにお金を手に入れるのか、という問いが顕在化しそうだ。この問いは、すでに偉人たちが議論を重ねてきていて、最近では「ブルシットジョブ」という書籍が有名になった。だけど、まだ一部の人の間でしか考えられていないよね。もっともっと広く多くの人が議論に参加するような状態になるのかも知れないな。そこまでいくと、ほんとにアテネみたいになるかもね。

今日も読んでくれてありがとうございます。この方向で妄想を続けていくと、そこにはとてつもなく広く深い思考の世界が待っている気がする。ただ、そんなに遠い未来の話じゃないような気がするんだよね。なんの役にも立たないかもしれないけれど、飲み会なんかで盛り上がるには面白いかも知れない。

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武藤 太郎

1988年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ、カルフォルニア州の大学留学。帰国後東京に移動し新宿でビックカメラや携帯販売のセールスを務める。お立ち台のトーク技術や接客技術の高さを認められ、秋葉原のヨドバシカメラのチーフにヘッドハンティングされる。結婚後、宮城県に移住し訪問販売業に従事したあと東京へ戻り、旧e-mobile(イーモバイル)(現在のソフトバンク Yモバイル)に移動。コールセンターの立ち上げの任を受け1年半足らずで5人の部署から200人を抱える部署まで成長。2014年、自分のやりたいことを実現させるため、実家、掛茶料理むとうへUターン。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務める。2021年、代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなどで活動している。

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