今日のエッセイ-たろう

家族で映画。 2025年4月21日

家族でご飯を食べているときに、映画を見ることがある。ぼくが小学生の頃もそうだった。近くのレンタルビデオショップへ行って、子どもも1本ずつ好きなビデオを選んで借りてもらっていた。今ではオンデマンド配信があるから、家にいながら一緒に選ぶことが出来るのは楽ちんだ。

そういえば、レンタルビデオを選ぶときはパッケージにプリントされた写真や文字を読んでいた。裏表紙には、特徴的なシーンの写真があって、難しい漢字が読めなくてもなんとなく雰囲気で選んでいたような気がする。オンデマンドでもあらすじは読めるのだけれど、写真がない。文字だけだと、小さい子どもたちにはちょっと難しいかもしれない。

我が家の子供達が幼いこともあって、自由に選んでいいよってことになると全部幼児向けアニメになってしまう。まぁ、それはそれで良いのだけど、どうせなら大人も子どもも楽しめる映画が良いじゃない。ということで、ぼくが独善的に映画をチョイスする「お父さんが選ぶ日」というのを設定しているんだ。半分、ただのワガママ。

幼稚園児、小学生を含めて大人も楽しめる映画って、けっこうたくさんある。あるんだけど、選ぶのが難しい。まだ子どもたちの傾向がよくわからないのもあるし、文字の説明だけだとどんな雰囲気の映画なのか掴みづらいというのもある。とりあえず、ディズニー映画を選んでおけばハズレは無いかもしれないけど、そればっかりじゃつまらないし。

しょうがないから。もう直感で選ぶわけだ。よくよく考えてみたら、映画を選ぶなんて直感しかない。どんなに評判が良くても、それが自分にとって面白いと感じるかどうかは見てみなくちゃわからないし。内容を詳しく紹介してもらったら、もう見る気も失せるかもしれない。

最近は、趣味嗜好が偏らないようにいろんなジャンルを散歩するようにしているかな。プリキュアやポケモンも面白いけど、他にもいろいろあるよ。って知ってほしいから。

どういうわけか、時代劇はお気に入りというか、ハズれないらしい。そもそも選んでいるのがシリアスなものではなく、コメディタッチのものだということもあるのだけど、それにしても現代人とはかけ離れた姿の登場人物を見てもすんなり受け入れているのは、改めて考えてみると興味深いことだ。言葉遣いだって、「いたみいる」とか「拙者」とか言っているのに、なんとなく伝わっているらしいのだ。

先日見たのは「侍タイムスリッパー」という映画。幕末の侍が現代の映画撮影所にタイムスリップしたという話。よくある設定ではあるのだろうけど、これが結構面白かった。途中でお風呂に入らなくちゃいけなかったんだけど、続きを見たいって言うくらい。小学一年生がハマったポイントはなんだったのだろう。今度、改めて聞いてみよう。

役者は知らない人ばっかりだった。ぼくは演技のことはよくわからないのだけれど、良かったな。吸い込まれるように見入っちゃった。子どもたちにも伝わるものがあったのかな。

過去から現代へタイムスリップする話だと、現代の常識がわからなくて右往左往するドタバタコメディになりそうなイメージが有るのだけど、これは違った。ちゃんと状況を理解して、ちゃんと自分なりに考えて現代を生きていこうとする話。もし、ホントにタイムスリップしたとしたら、実際そうなると思うんだ。あらゆるところで情報を得て、その環境に合わせて生きていくすべを見出していく。そのほうが自然だろうと思う。で、所々に価値観が現れる。その時代、その社会で培われてきた価値観があって、違う社会で滑稽に見られたり素晴らしいと評価されたりする。

時間を移動しなくても、他の国へ行けば起こり得ることじゃないかな。現代は情報が比較的に共有されているから、ギャップが少なくなったかもしれないけど、やっぱり価値観って違うもの。そこで暮らすことになったら、うまいこと合わせていくと思うんだ。そうやって、ちょっとずつ融和していくというのが歴史上にたくさなったのかな。などと思ったりもした。

今日も読んでいただきありがとうございます。今のところ、「お父さんが選ぶ映画」については、「けっこう面白いものを選ぶ」という評価があるみたい。あんまり期待されちゃってもタイヘンなんだけど、ぼくが見たいものを見られるのもありがたいし、子どもたちの興味関心の幅が広がるのも良いんじゃないかな。偶然の出会いって楽しいよね。

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武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ留学。帰国後東京にて携帯電話などモバイル通信のセールスに従事。2014年、家業である掛茶料理むとうへ入社。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務め、食を通じて社会や歴史を紐解き食の未来を考えるヒントを提示している。2021年、同社代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなど、食だけでなく観光事業にも積極的に関わっている

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