今日のエッセイ-たろう

休息って、ホント大切なんだなあ。2022年11月29日

久々によく寝た。朝起きたときから、ずっと眠かったのだ。もう何をしていても眠い。そんな状況だったから、夕食の後には寝る支度をして子供に絵本を詠んで、そのまま就寝。今朝は、スッキリと目が冷めて爽快である。

人間というのは、休むとか眠るということが大切なんだな。

日常の仕事では、2つの作業がある。ひとつは料理人として料理を作ったり、ホールスタッフとして接客にあたったり。実店舗の業務だ。もうひとつは、こうしてブログを書いたり調べ物をして原稿を書いたりと、たべものラジオ関連の作業である。

ざっくり括ってしまえば、前者は体力勝負の仕事で、後者は頭脳労働。そういう意味では経営の仕事も後者に当てはまる。

体力が必要な仕事では、主にHPを消費する。ロールプレイングゲームの感覚だとそうなるかな。ゲームの世界では、敵の攻撃でダメージを受けたときに減るのがHP。どの程度の耐久力があるかという数値なのだけれど、実生活では物理的に攻撃を受けるということは殆どない。というか、無い。サッカーなどのスポーツに置き換えれば、どのくらい走り続けることが出来るかという指標に近い。たくさん走れば、それだけ体力を消耗する。その感覚だね。

これに対して、頭脳労働はMPを消費する。ゲームの世界では魔法を使うことが出来る容量を指している。効果の弱い魔法だったら、消費するMPは少なくて強い魔法だったら大量のMPを消費する。そんな感じ。原稿を書き上げるのはかなりのMPを消費する。本を読む。理解できない語句は調べる。納得出来ない場合や、解釈がうまく出来ない場合も調べる。情報の点と点がつながるのかどうか、繋がったら面白いのになって思いながら、つながりを探しに行く。無理やり星座を探し出すようなものだ。ほとんどの場合は徒労に終わるのだけれど、それでも調べる。こういう作業をするのは、なかなかに時間もかかるし、体力も使うし、脳の活動は激しくなる。そういう意味でMPの消費量はとても大きいんだよね。

これに対して、ブログを書くのは比較的消費するMPが少ない。特に調べ物をするわけでもなくて、自分の中にある考えや思いをそのまま文字にするだけだから、気軽なものだ。

そうは言っても、ブログを書くことがしんどいときもある。著しくHPの消費が激しいときだ。店の業務が忙しくなってくると、どういうわけかブログを書くことすら思うように進まなくなる。思考が止まることすらある。当たり前といえば当たり前か。

店舗業務であっても無思考で進められるということはない。料理一つ一つの仕込み作業でも、常に頭を使う。毎日のように行っている作業は、ほとんど無意識に進めることが出来る。慣れというのだろうか。体が自動的に動く部分もある。だけど、ひとつひとつの精度を高めるためには、それなりに神経を使うわけだよね。

それから、判断力。お客様がたくさんいらっしゃっている間は、常に作業効率やクオリティに意識がある。自分の行動だけじゃなくて、チーム全体の効率を考える。お客様に対して最高のパフォーマンスを届けるには、どの作業から進めるのが最適なのか。誰が何を行うことが最適なのか。逐一、状況を把握しながら的確に判断をしていかなくちゃいけない。

原稿を書くときのように、事実と事実を組み合わせて考察するような思考方法とは違う。とっさの判断。言葉は悪けれど場当たり的な判断が必要になる。ぼくは、ふたつの思考の違いを、遅い思考と早い思考と区別して捉えている。早い思考だけでは出来ないこともあるし、遅い思考では状況に対応できないこともある。時間のある時には、遅い思考でじっくりと考えるんだ。こねくりまわすようなイメージ。その場ではすぐに役に立たないんだけどね。ただ、普段から遅い思考をしておくことで、とっさの時には無思考で判断することも出来るんじゃないかと思う。

早い思考と遅い思考。トップギアとローギアの様な感覚かな。早くてパッパッと考えるのと、遅いけれど力強い思考。この2つのパターンに、演繹法と帰納法を組み合わせる。ちゃんと使いこなせているかどうかは別として、なんとなくそんな理解をしているんだけどね。

体力勝負の仕事でもちょっとずつMPを消費しているから、結局ブログを書くような作業もしんどくなっちゃうのかな。というのもあるし、いくらMPがたくさん残っていたとしても、HPが減っていたら何も出来なくなっちゃうんだよなあ。という感覚もある。どっちだろうと考えることにあんまり意味は無いんだけどね。だって、現実はゲームのように切り分けられるわけじゃないから。

今日も読んでくれてありがとうございます。ぼくら人間にとって、休むってことは大切なんだな。という話。どうもぼくは苦手なんだけど、先に休む時間を決めてしまってから仕事のスケジュールを組み立てるほうが良いのかもしれない。

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武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ、カルフォルニア州の大学留学。帰国後東京に移動し新宿でビックカメラや携帯販売のセールスを務める。お立ち台のトーク技術や接客技術の高さを認められ、秋葉原のヨドバシカメラのチーフにヘッドハンティングされる。結婚後、宮城県に移住し訪問販売業に従事したあと東京へ戻り、旧e-mobile(イーモバイル)(現在のソフトバンク Yモバイル)に移動。コールセンターの立ち上げの任を受け1年半足らずで5人の部署から200人を抱える部署まで成長。2014年、自分のやりたいことを実現させるため、実家、掛茶料理むとうへUターン。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務める。2021年、代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなどで活動している。

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