今日のエッセイ-たろう

学びのフック 2024年6月20日

「茶色ってどんな色?土の色なのに、なんで色の前はお茶なんだろうね。」

「お寿司ってもっと大きかったんだよ。もっと前はドロドロしてたの。」

「むかし魔女狩りで火あぶりの刑ってあったんだけど、ジャガイモも火あぶりの刑になったんだ」

なんでも良いけど、面白そうなフックってあるよね。いつも収録前に考えるんだけど、これがなかなか浮かんでこない。上手な人の話を見聞きするたびに、すごいなあと感心してばかりだ。興味が湧くと、その話を聞いてみたくなるし、調べてみたくもなる。ぼくらはポッドキャストとして、演出のためにという意識があるけれど、勉強も良いフックがあると入りやすいんじゃないかと思う。

時々、リスナーさんから「歴史は苦手だったけど、食の視点から入ったらわかりやすい」というコメントをいただくことがある。それ、すごくよく分かる。ぼくがそうだから。元々歴史はストーリーとして好きなんだけど、食を通してみたらもっと身近になる感じがするんだ。ジャガイモを手にとってまじまじと見てしまう。蕎麦屋に入れば、頭の片隅に二八そばの屋台が浮かんでくる。つまり、「眼の前の実物と歴史が繋がっている」という感覚。「そうなんだ。だからこうなっているのねぇ」という納得感もある。学びって、そういうつながりが見えることが大切なのかもしれないねぇ。

先日、掛川三城物語っていうのを書いてみたんだけど、あれもそうだよね。散歩したことがあるとか、知り合いが住んでいるとか、なにげなく日常で触れている場所が、直接歴史と繋がっている。「えー、そうだったのー」という感情が好奇心を呼び起こすことになる。

妹が地元の子供達の学びを支援するチームにいるんだけどね。中学校で講演したらいいのにって言うんです。食のことも知ってほしいし、教育も総合学習になってきたことだから確かに役に立つかもねって思う。「それもそうだけど、何より学習の入口になる」というのが彼女のはなし。歴史もそうだし、社会がどうなっているのかってことも、もしかしたら植物に興味を持ったり農業に興味を持つかもしれない。そうなったら、もっと学ぶことそのものが面白くなるはずだし、日常生活でも気づきが増えるかもしれない。絶対じゃないけれど、可能性は上がるよね。

そう言われてみれば親和性は高いかも。学校で歴史の話をしますって言うと、いやいや学校の授業でやるんでいいですってことになるかもしれない。だけど、お茶の話をしますってなれば、じゃあお願いしますと言ってくれそうだ。君の住んでいるところで、日本初の機会式製茶工場が誕生したんだよ。なんてことになれば、面白い。

たべものラジオの知名度はあまりないし、地元では料理屋さんとして知られるのみ。むろん、書籍を出版したこともないので、学校側としては呼びにくいところがある。そう言われてみれば、過去の講演はすべてまちづくりや観光のことで、行政と協業した実績があるから招聘されていたんだろうね。いま、妹が一生懸命にポッドキャストを勧めてくれていて、聞いてくれたら意味がわかるっていうプレゼンしてるらしい。大丈夫かな。彼女、たべものラジオ聞いてないんだけど。

今日も読んでいただきありがとうございます。ぼくが講演したら中学生や高校生にとって有益なのかな。どうなんだろう。社会貢献という意味で、一度やってみたい。ダメだったらダメで、それは本当に申し訳ないことになるんだけど。なにかしらの意味があるのなら、フックのためのコンテンツ作りもしたら良いってことよね。関係者で呼びたいっていう方がいたら、連絡ください。これはホントに真面目な話。

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武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ、カルフォルニア州の大学留学。帰国後東京に移動し新宿でビックカメラや携帯販売のセールスを務める。お立ち台のトーク技術や接客技術の高さを認められ、秋葉原のヨドバシカメラのチーフにヘッドハンティングされる。結婚後、宮城県に移住し訪問販売業に従事したあと東京へ戻り、旧e-mobile(イーモバイル)(現在のソフトバンク Yモバイル)に移動。コールセンターの立ち上げの任を受け1年半足らずで5人の部署から200人を抱える部署まで成長。2014年、自分のやりたいことを実現させるため、実家、掛茶料理むとうへUターン。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務める。2021年、代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなどで活動している。

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