今日のエッセイ-たろう

格差社会のどの辺りが問題なの。2022年10月12日

格差社会と言われて久しい。もうね。あるところにはあるけれど、無いところにはない。そういう偏りが問題だって話だよね。だけど、格差のすべてが悪いってことじゃないんだと思うのよ。だって、格差というのは差異のことで、差異は個性とも言えるから。経済格差があるのはあるんだけど、その差が大きすぎるのが社会構造としてはバランスが悪いよねってことなんでしょう。

じゃあ、社会問題になっているのは、格差のどの部分だろうか。格差という言葉に惑わされない方がいいよなあ、と思いつつ、格差という言葉をごちゃごちゃと弄り回しながら掘り下げてみようかと思う。

経済的な格差が問題になっているのは事実

気にするのはこっちだよね。ちょっと前までは、良い学校に言って良い企業に就職してたら、だいたいの成功が約束されていた時代。大金持ちじゃなくても、それなりに人より裕福に暮らすことが出来たんだよ。だけど、もうすでにそれは過去のこと。

起業して会社を大きくした人の中には、自分が成功したのは運だと言い切る人がいる。こういうふうにして頑張ったからなんだって、そういうこともあるのだけどね。中にはそれを自慢気に語る人もいる。なんだけど、実際のところ、能力とか努力だけでは大きな成功にはならないことがほとんど。必要な条件だけれど、十分じゃない。結局は「運」が良くなければ、どうにもならないってことなんだ。たしか、松下幸之助も同じような事を言ってたよね。違ったっけ?

だから。

今、お金が手元に集まってきているのも「運」だと捉えるし「偶然」だと考える。もう、そういうことにしちゃうんだってさ。能力だけの問題じゃなくて運の要素が強い。でね。そう考えるようになると、今お金がないのもたまたま運が悪かっただけってことになる。もちろん、何の勉強も努力もしてなかったら努力不足なんだろうけどさ。自分なりに頑張ってみたけど、運悪く実っていない。そういう事になっちゃう。あ、マイケル・サンデル教授に言わせると、勉強や努力が出来る体に生まれたのも運のウチだってことになるのか。そうなると、全てが運だよね。

運が良いだけ、悪いだけ。その結果で富の格差が生まれているんだとしたら、それは不公平だと感じるかもね。だから、一部の成功者たちは富を社会に配りまくるのだそうだ。運良く成功して、それも色んな人に支えてもらってそうなった。だから、その運の集大成を分けていく。それがわかっているのならば、初めから支える側の人も報われるわけだよね。

そう。もはや、これは個性だ。運命と言い換えてしまうと、なんだか違って聞こえてしまうから好きじゃないんだけど、それに近い感覚なのかもしれないね。なんだか知らないけれど、ストレスを感じること無く自然に出来ちゃうことってあるよね。他の人から見たら、実は面倒だったり、スキルを必要とすることなのに、なぜか自然に出来てしまう。で、そういうのってひとりひとり違うんだと思う。ぼくには、そういった特性が先天的なものなのか環境要因なのか、それとも努力の結果なのかわからない。ただ、実際にそういうことがあるよね。

これを、たった1つのモノサシで測るとする。そうすると、優劣が発生するじゃん。当たり前なんだ。得意なジャンルで計測してくれたら良いけれど、苦手なジャンルだったらたまったもんじゃない。世界的な天才アインシュタインだって、体力だけが評価基準の世界に生まれたら劣等生になってしまう。これって極端な例に見えるけれど、現代社会はかなり近いことをやっているんだよね。

ひとつのモノサシで測るのであれば、格差が生まれるのが必然にもみえる。むしろ、その格差はあった方がいい。格差っていうのは、個性そのもののことだから。その個性を活かした仕事をするなり、活動ができて、そこで周囲の人達から喜ばれれば良いんだよね。

問題は、自分の持っている個性がお金に置き換えられるタイプなのかってことだ。たまたま、お金に置き換えやすいタイプの個性を持って生まれた人は「運」がいい。それこそ運じゃないかな。そうじゃないタイプの人は、いろんな工夫をしなくちゃいけないんだよね。中には、マネタイズそのものを誰かに考えて貰う必要があるかもしれない。ほら、世の中にはマネタイズの仕組みを考えることが個性だという人もいるはずだから。そこに乗っかる。てことで、なんとかならないかな。

今日も読んでくれてありがとうございます。社会学者でもなんでもないから、とくに論理があるわけじゃないんだけどさ。素人目線で社会を見ていたら、なんとなくこんな感じじゃないかな、と思ってる。格差っていう言葉が、すなわち悪いことだというような論調で語られることがあるんだよね。それってどうなのかな。ホントにそうなの?そんな話でした。

タグ

考察 (298) 思考 (225) 食文化 (220) 学び (168) 歴史 (123) コミュニケーション (120) 教養 (105) 豊かさ (97) たべものRadio (53) 食事 (39) 観光 (30) 料理 (24) 経済 (24) フードテック (20) 人にとって必要なもの (17) 経営 (17) 社会 (17) 文化 (16) 環境 (16) 遊び (15) 伝統 (15) 食産業 (13) まちづくり (13) 思想 (12) 日本文化 (12) コミュニティ (11) 美意識 (10) デザイン (10) ビジネス (10) たべものラジオ (10) エコシステム (9) 言葉 (9) 循環 (8) 価値観 (8) 仕組み (8) ガストロノミー (8) 視点 (8) マーケティング (8) 日本料理 (8) 組織 (8) 日本らしさ (7) 飲食店 (7) 仕事 (7) 妄想 (7) 構造 (7) 社会課題 (7) 社会構造 (7) 営業 (7) 教育 (6) 観察 (6) 持続可能性 (6) 認識 (6) 組織論 (6) 食の未来 (6) イベント (6) 体験 (5) 食料問題 (5) 落語 (5) 伝える (5) 挑戦 (5) 未来 (5) イメージ (5) レシピ (5) スピーチ (5) 働き方 (5) 成長 (5) 多様性 (5) 構造理解 (5) 解釈 (5) 掛川 (5) 文化財 (4) 味覚 (4) 食のパーソナライゼーション (4) 盛り付け (4) 言語 (4) バランス (4) 学習 (4) 食糧問題 (4) エンターテイメント (4) 自由 (4) サービス (4) 食料 (4) 土壌 (4) 語り部 (4) 食品産業 (4) 誤読 (4) 世界観 (4) 変化 (4) 技術 (4) 伝承と変遷 (4) イノベーション (4) 食の価値 (4) 表現 (4) フードビジネス (4) 情緒 (4) トーク (3) マナー (3) ポッドキャスト (3) 感情 (3) 食品衛生 (3) 民主化 (3) 温暖化 (3) 健康 (3) 情報 (3) 行政 (3) 変化の時代 (3) セールス (3) チームワーク (3) 産業革命 (3) 効率化 (3) 話し方 (3) 和食 (3) 作法 (3) 修行 (3) プレゼンテーション (3) テクノロジー (3) 変遷 (3) (3) 身体性 (3) 感覚 (3) AI (3) ハレとケ (3) 認知 (3) 栄養 (3) 会話 (3) 民俗学 (3) メディア (3) 魔改造 (3) 自然 (3) 慣習 (3) 人文知 (3) 研究 (3) おいしさ (3) (3) チーム (3) パーソナライゼーション (3) ごみ問題 (3) 代替肉 (3) ルール (3) 外食産業 (3) エンタメ (3) アート (3) 味噌汁 (3) 道具 (2) 生活 (2) 生活文化 (2) 家庭料理 (2) 衣食住 (2) 生物 (2) AI (2) SKS (2) 旅行 (2) 伝え方 (2) 科学 (2) (2) 山林 (2) 腸内細菌 (2) 映える (2) 誕生前夜 (2) フレームワーク (2) (2) 婚礼 (2) 料亭 (2) 水資源 (2) メタ認知 (2) 創造性 (2) 料理人 (2) 飲食業界 (2) 工夫 (2) 料理本 (2) 笑い (2) 明治維新 (2) 俯瞰 (2) 才能 (2) ビジョン (2) 物価 (2) 事業 (2) フードロス (2) ビジネスモデル (2) 読書 (2) 思い出 (2) 接待 (2) 心理 (2) 人類学 (2) キュレーション (2) 外食 (2) 芸術 (2) 茶の湯 (2) (2) 共感 (2) 流通 (2) ビジネススキル (2) 身体知 (2) 合意形成 (2) ガストロノミーツーリズム (2) 地域経済 (2) 発想 (2) 食料流通 (2) 文化伝承 (2) 産業構造 (2) 社会変化 (2) 伝承 (2) 言語化 (2) 報徳 (2) 気候 (2) (2) サスティナブル (2) 儀礼 (2) 電気 (2) 行動 (2) 常識 (2) 産業 (2) 習慣化 (2) ガラパゴス化 (2) 食料保存 (2) 郷土 (2) 食品ロス (2) 地域 (2) 農業 (2) SF (2) 夏休み (2) 思考実験 (2) 食材 (2) アイデンティティ (2) オフ会 (2) 五感 (2) ロングテールニーズ (2) 弁当 (1) 補助金 (1) SDGs (1) SDG's (1) 幸福感 (1) 哲学 (1) 行事食 (1) 季節感 (1) 江戸 (1) パラダイムシフト (1) 食のタブー (1)
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

武藤 太郎

1978年 静岡県静岡市生まれ。掛川市在住。静岡大学教育学部附属島田中学校、島田高校卒。アメリカ、カルフォルニア州の大学留学。帰国後東京に移動し新宿でビックカメラや携帯販売のセールスを務める。お立ち台のトーク技術や接客技術の高さを認められ、秋葉原のヨドバシカメラのチーフにヘッドハンティングされる。結婚後、宮城県に移住し訪問販売業に従事したあと東京へ戻り、旧e-mobile(イーモバイル)(現在のソフトバンク Yモバイル)に移動。コールセンターの立ち上げの任を受け1年半足らずで5人の部署から200人を抱える部署まで成長。2014年、自分のやりたいことを実現させるため、実家、掛茶料理むとうへUターン。料理人の傍ら、たべものラジオのメインパーソナリティーを務める。2021年、代表取締役に就任。現在は静岡県掛川市観光協会副会長も務め、東海道宿駅会議やポートカケガワのレジデンスメンバー、あいさプロジェクトなどで活動している。

-今日のエッセイ-たろう
-, ,